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2016/04/13

佐賀県営・中木庭ダムで小水力発電がスタート 既設ダムに民間企業が参画【環境ビジネスオンライン】

2016年4月13日掲載

佐賀県営・中木庭ダムで小水力発電がスタート 既設ダムに民間企業が参画

佐賀県において1日、県営ダムでは最大規模の中木庭ダム(鹿島市)で、民間事業者による放流水を活用した小水力発電が始まった。九州電力グループの西技工業(福岡県福岡市)、九州電力、九電工の3社による連合体が本発電所を設置・運営する。九州で既設ダムに民間事業者が参画するのは初めて。

中木庭ダムの総貯水容量は680万立米、堤高は69.5m。今回発電を開始した中木庭発電所では、ダムの放流方法を変えずに発電(従属発電)を行う。最大出力は約196kW、最大使用水量は0.55立米/s、有効落差は48.3m。年間発生電力量は約1,250MWhで、一般家庭約350世帯分の消費電力に相当する。CO2削減効果は年間約750t-CO2を見込む。

連合体の西技工業は発電事業全般を担い、九州電力に発電した電気を売電する。佐賀県(河川管理者)や鹿島市(水道事業者)には土地の占有料等を支払う。

佐賀県は、中木庭発電所の効果として、ダムから放流される安定した水のエネルギーで電気を作ることによる「地球温暖化対策等」、ダムに新たなパートナーが参画することによる「ダム管理費用の負担が軽減」、民間企業の地域との共生を目指した活動による「地域活性化への貢献」をあげる。

西技工業では、経営の多角化や再エネの積極的な導入を推進を目的に、天候の影響が少ない再エネである小水力発電の地点選定・調査・設計から施工まで一貫した発電所の建設に取り組んでいる。

一方、佐賀県は、地球温暖化対策やエネルギー多様化などの観点から、再エネの加速度的普及を図っていく必要があり、中でも水力発電は、昼夜、年間を通じて比較的安定した発電ができると評価する。そこで、2013年に中木庭ダムで小水力発電事業を行う民間事業者を公募し、3社による連合体に決定した。連合体による提案のポイントとして、長年、電力事業に携わり培われた技術や蓄積されたノウハウの活用による事業の実現性と、地域イベントへの参画やボランティア活動、環境教育活動などの実施による地域との共生をあげている。

https://www.kankyo-business.jp/news/012503.php

2016/04/12

ニュース一覧へ ニュース 福岡工業大、落差がなくても発電できる小水力発電機 農業用水路に低コストで設置【日経テクノロジー】

2016年4月12日掲載

 福岡工業大学は、落差のない水路でも発電できる小水力発電機「フラッター水力発電装置」を開発した(図1)。工学部知能機械工学科教授の阿比留久徳氏によるもので、飛行機の翼などが風や気流を受けて起こす振動「フラッター現象」を応用している。農業用水路などに低コストで設置できるのが特徴だ。

 開発機は従来の水車を利用した発電装置と異なり、水中翼が流れに対して左右に往復運動して発電する(図2)。流れに対して傾きを持たせることで水中翼を動かす力が発生し、端まで動いた水中翼は自動で向きを変えて反対側へ動く。水中翼につながった機械構造は、蒸気機関車のピストンに似た動きで発電機を一方向に切れ目なく回転させられる。これにより、効率的に発電できるという。

 従来の水力発電装置は、水流によって水車やプロペラを回す形式が多い。この形式の場合、水路に滝のような落差を作らなければならず、費用がかかる。それに対して開発機は、上記のような仕組みのため落差が不要で、普通の水流でも十分に発電できるという。その上、高速回転部がない構造でごみが付着したり詰まったりしにくく、人や水中に住む生物に対する安全性にも優れる。

 現状、農業用水路を利用した小水力発電へのニーズは高いものの、設置工事や発電装置そのものにかかる費用、周辺の生態系への影響、設置後の維持管理といった課題から、普及は進んでいない。開発機は、そうした場所でのニーズに応えられるとしている。例えば、専用の導水路が要らず利水に影響しないので、設置への合意を得やすい。構造がシンプルで稼働状況を目視で確認しやすいため、カメラを使った遠隔監視や地域住民によるメンテナンスも可能だ。1m/秒と低流速から発電できる一方、大雨時などの速い流れに対しては、水中翼の破損を防ぐように角度を調整できる。

 開発機の発電量は、水流が1m/秒の場合で約50W。原理的には大型化したり複数台を設置したりすることで、水路の深さや幅、水量に応じて発電量を増やすこともできる(図3)。LED街灯の点灯や非常用電源、電動農機具の夜間充電といった用途への利用が期待でき、現在、電池への充・放電の組み合わせを制御する研究も進めているという。

http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/041201562/

2016/04/11

売電収入の価値を見直す ―清和村水力発電所―【環境ビジネスオンライン】

2016年4月11日掲載

小水力発電所を生かすも殺すも、人次第である。約10年前に建てられた発電所の価値が今、問われている。熊本県旧清和村(現山都町)の清和水力発電所だ。

23年越しの夢

阿蘇山南麓の山里、清和村。有明海に注ぐ一級河川、緑川の最上流部に位置し、村の地形は急峻だ。その村で2005年、村営の清和水力発電所が運転を開始した。開発の指揮を執ったのは、役場の職員を経て、1999年より清和村長に就いた兼瀬哲治さんだ。

(続きは転載元HPより会員登録のうえ閲覧できます)

https://www.kankyo-business.jp/column/012461.php

2016/04/11

電力の自給率100%超の市町村が100カ所に、都道府県別では大分県が1位【ITmedia】

2016年4月11日掲載
全国各地で再生可能エネルギーの導入量が拡大して、地域ごとの電力自給率が上昇している。自給率が100%を突破した市町村は2015年3月末の時点で100カ所に達した。都道府県別では地熱が豊富な大分県が38%でトップを走り、続いて秋田県でも30%を超える自給率になっている。</h2>

[石田雅也スマートジャパン] 

千葉大学と環境エネルギー政策研究所が2007年から続けている「永続地帯」の研究結果で明らかになった。この研究では自治体ごとに再生可能エネルギーの供給量と食料の生産量を調べて、日常生活に欠かせないエネルギーと食料の自給率をもとに地域の永続性を評価する。再生可能エネルギーの太陽光・風力・小水力・地熱・バイオマスによる発電量をもとに電力の自給率を算出した結果、都道府県別では大分県が38.6%で1位になった(図1)。大分県には大規模な地熱発電所が集まっていて、再生可能エネルギーの発電量のうち半分近くを地熱発電で供給している。

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図1 都道府県別の電力自給率(画像をクリックすると拡大)。小水力発電は出力1万キロワット以下、バイオマス発電はバイオマス比率50%以上が対象。出典:千葉大学、環境エネルギー政策研究所

市町村別に見た電力の自給率でも大分県の九重町(ここのえまち)が圧倒的な1位だ(図2)。日本最大の地熱発電所である「八丁原(はっちょうばる)発電所」をはじめ、大規模な地熱発電所が3カ所で運転中で、電力の自給率は実に2000%を超える。

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図2 市町村別の電力自給率トップ20。出典:千葉大学、環境エネルギー政策研究所

第2位と第3位は長野県の南部に位置する2つの村である。高い山が連なる南アルプスから流れてくる川を利用して、水力発電が盛んな地域だ。続く第4位と第5位は熊本県の南部にある2つの村で、同様に水力発電所から大量の電力を供給できる。いずれも自給率は1000%以上に達する。

電力の自給率が100%を超える市町村は2015年3月末の時点で100カ所になった。1年前と比べて5つの市町村が加わった。小さな町や村が多い中で、市でも自給率が100%を超えているところが全国で9カ所ある。秋田県の鹿角・にかほ・湯沢の3市のほか、新潟県の糸魚川市、岩手県の八幡平市、福島県の田村市、徳島県の三好市、石川県の珠洲市、大分県の由布市である。

増加率は茨城県がトップ、太陽光とバイオマスが拡大</h4> 再生可能エネルギーは熱としても利用できる。「永続地帯」の調査では電力のほかに太陽熱・地熱・バイオマス熱を加えて、電力と熱を合わせたエネルギーの自給率も算出している(図3)。

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図3 都道府県別のエネルギー自給率(画像をクリックすると拡大)。出典:千葉大学、環境エネルギー政策研究所

エネルギーの自給率が10%以上に達した県は前回の調査(2014年3月末時点)から7県も増えて、合計で21県になった(図4)。大分県を筆頭に九州が5県で最も多く、東北と関東・甲信越が4県ずつ、中部が3県を占めている。

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図4 エネルギー自給率が10%以上の県。出典:千葉大学、環境エネルギー政策研究所

特に九州の各県の伸びが顕著で、中でも宮崎県は9.5%から15.8%へ6ポイント以上も上昇した。宮崎県ではバイオマス発電が3倍以上に拡大したほか、太陽光発電も2倍に増えている。そのほかの県でも太陽光発電の増加が自給率を引き上げた大きな要因だ。

代表的な例が茨城県である。電力と熱を合わせた再生可能エネルギーの供給量は1年間で83%も増えて、増加率では47都道府県でトップの伸びを記録した。太陽光発電が2.6倍に、バイオマス発電が1.6倍に増えている。これで太陽光発電の供給量は全国で2位、バイオマス発電も3位に拡大した。自給率は5.2%から9.4%へ上昇している。

全国すべての都道府県で再生可能エネルギーの供給量は増加した(図5)。増加率が50%を超えた県は10県にのぼる。大都市圏でも東京都が30%増、大阪府が47%増で順調に拡大している。

 

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図5 都道府県別の再生可能エネルギー供給量と種類別ランキング。TJ:テラジュール(1TJ=28万キロワット時)。出典:千葉大学、環境エネルギー政策研究所

http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1604/11/news028_2.html

2016/04/09

小水力発電で「大葉栽培」・飯豊 山形大、住民やNPOと実証実験【山形新聞】

2016年04月09日
 再生可能エネルギー(再エネ)によって地域活性化を図ろうと、飯豊町松原地区で、地元住民とNPO、山形大の関係者による小水力発電の実証実験が進められている。地区内の農業用水路を活用して生み出した電気を、ビニールハウスで使用し大葉を栽培。今冬に生産した“試作品”をこのほど、宮城県の食品業者に提供して高評価を受けた。将来的には事業規模を拡大し、地元住民の雇用や産直販売を通じて町のにぎわい創出につなげたい計画だ。

 実証実験を手掛けているのは、2007年から水力発電に着目した活動を展開している松原地区保全協議会(山口義雄会長)、山形大東北創生研究所(大場好弘所長)、新庄市のNPO東北地域エネルギー開発機構(小川健理事長)。地域における再エネの利活用、高齢者や冬期間に適した農業の可能性を探り、昨年4月に実験を開始した。

 発電場所は、JA山形おきたま飯豊ライスセンター近くにある県営松原用水路。落差11.7メートルの傾斜地に備え付けられている既存の水路と並行し、直径10~20センチの塩ビ管を設置した。ここを通した水の勢いを生かし、発電機の水車を回して電気を起こすシステムを構築した。

 発電機は東北地域エネルギー開発機構が用意。1分間に1500回転し、実験では2キロワットの電気をつくりだしている。この電気は、大葉の芽出し用の土に埋めたパネルヒーターに活用。昨年12月に栽培に取り掛かり、現在は1株40センチほどの大きさにまで成長している。

 県によると、小水力発電を通じた農業展開は県内では珍しい試み。大葉は摘み取る負担が少なく、高齢者が栽培しやすい利点がある。需要が高まる冬場に生産量を増やしたい考えで、山口会長は「事前の話し合いでは、地区民の約8割が再エネの有効利用を望んでいた。水力発電、大葉の栽培で村おこしを図りたい」と見据える。

 今後は発電機の設置箇所の増設など、事業化に向け協議していく。実験に携わる山形大東北創生研究所の村松真准教授は、「小水力発電によって経済の循環が生まれる取り組み。森林整備の重要性に目を向けるきっかけにもなる」と意義を語っている。

http://yamagata-np.jp/news/201604/09/kj_2016040900183.php

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