2016/05/19
2016年5月19日掲載
新エネルギー財団(NEF)は5月16日、水力発電の導入を促進するため、水力発電における新技術活用促進のための事業に関する業務を公募すると発表した。
この事業では、既存水力発電所の設備更新などを行い増出力・増電力量の可能性を調査する「調査事業」と、同様に設備更新・改造を行う「工事事業」に分けて公募している。揚水式水力発電所と、固定価格買取制度を利用する予定のものは対象にならない。調査事業は補助対象経費の3分の2、工事事業は補助対象経費の3分の1が充当される。補助対象期間は調査事業が2年以内、工事事業が5年以内。
応募期間は6月20日(月)まで。応募するには、公募要領にしたがって申請書・実施計画書・必要な添付資料を提出する必要がある。
また、全国5都市で公募説明会を実施する。説明会の日程などは以下のとおり。
日程/場所/会場名
5月24日(火)10:00~12:00 名古屋 愛知県名古屋市中村区2丁目45番19号 桑山ビル 3階
5月24日(水)10:00~12:00 福岡 福岡県福岡市博多区博多駅東1丁目16-14 リファレンス駅東ビル 2階
5月27日(金)10:00~12:00 札幌 北海道札幌市中央区南2条西2丁目10 富樫ビル 6階
5月31日(火)10:00~12:00 大阪 大阪府大阪市中央区大手前二丁目1番2号 國民會館住友生命ビル 12階
6月 1日(水)14:00~16:00 東京 東京都豊島区東池袋3丁目 文化会館 7階
なお、説明会に行かなくても応募は可能だ。
迫る設備更新 求められる最新技術
水力発電所は、運転開始から40年を超え、設備更新の時期を迎えているものが約半数を占めている。その設備更新を最新の技術を用いて行うことで、小さな環境負荷で出力し、電力量の増加を図ることができる。
本事業は既存の発電所における設備更新や改造の調査・工事などに要する経費を補助することで、既存の設備を有効に活用したり、安定かつ適切なエネルギー需給構造を構築したりすることを目的としている。
2016/05/19
2016年5月19日掲載
宇都宮市の市中央生涯学習センターで二十九日、公開討論会「森づくりでエコな暮らし~原発に頼らない暮らしを考える市民フォーラム」が開かれる。
日光市足尾地区で植樹活動をしてきたNPO法人「森びとプロジェクト委員会県ファンクラブ」の主催。農業用水を利用した小水力発電などに取り組む那須野ケ原土地改良区連合の星野恵美子参事が、新エネルギー事業について講演する。
その後、森びとプロジェクト委員会の高橋佳夫副理事長と星野参事が対談する。質疑応答もあり、原発に頼らず、地球温暖化を防ぐための方法を来場者と話し合う。
午後一時半~四時。先着百五十人で申し込み不要。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/list/201605/CK2016051902000192.html
2016/05/19
2016年5月19日掲載
中部電力グループのシーテック(名古屋市瑞穂区)が、2015年10月から建設工事を進めていた「秋神水力発電所」(岐阜県高山市)が完成し、このほどに営業運転を開始した。約50メートルの落差を利用して、370世帯分の電力を発電する見込みだ。
[長町基,スマートジャパン]
このほど発電を開始した「秋神水力発電所」(岐阜県高山市)は、中部電力が所有する秋神ダムの右岸直下に新設したもので、ダムから放流する維持流量を有効活用して発電する。同社グループ会社のシーテックが建設した。
発電出力は290kW(キロワット)、有効落差は50.33メートルで、最大使用水量は毎秒0.73立方メートル。年間発電量は一般家庭約370世帯分の年間使用電力量に相当する約133万kWh(キロワット時)を想定している。CO2削減量は年間660トンに相当するという。
同発電所はシーテックが自社開発する初の水力発電所であり、水車には独オズバーガー社製のクロスフロー水車を採用している。クロスフロー水車は水の圧力と速度をランナと呼ばれる羽根車に作用させる構造の水車。クロスフローとは水がランナを交差して流れることを意味しており、主に1000kW以下の小水力発電所で採用される。
クロスフロー水車は水中の土砂や流木などに対して耐久性があり、流量変化に追随して調整できるため、流れ込み式水力発電所に適している。さらに、低負荷から最大負荷まで安定した運転が可能で、過酷な条件下でも信頼性が高いという。
また、同社製クロスフロー水車は溶接加工されており、標準化された部品の組み合わせによる構成のため、様々な設計要件に対応できるとともに、低コストで短納期の生産を可能にしている。
水力発電は再生可能エネルギーの中でも安定した発電電力量を期待できることから、今後も中部電力グループ一体となって、一般水力や維持流量発電の開発に取り組む方針だ。
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1605/19/news027.html
2016/05/18
2016年5月18日掲載
鳥取県南部町は17日、エネルギーの地産地消を推進しようと新電力会社「南部だんだんエナジー」(同町福成、別所一生社長)を地元建設会社などとの共同出資で設立したと発表した。10月の電力供給開始を目指す。
会社は資本金は970万円で、町が400万円を出資したほか、小売電気事業のパシフィックパワー(東京都)、建設業などのティー・エム・エス(南部町)、美保テクノス(米子市)、サンイン技術コンサルタント(同)が出資。16日付で設立した。
事業計画によると、2019年度の年間販売電力量は650万キロワット時。4千キロワットの契約を目指し、売り上げは1億4千万円を見込む。電力は、同町鶴田の大規模太陽光発電所や賀祥ダム小水力発電所(同町中谷)などから仕入れ、必要に応じて電力市場からも調達する。当面は町の公共施設や工場などに供給し、町外にも販売できる。
町役場で記者会見した坂本昭文町長は「地域住民に喜んでもらう会社になることを願う」と期待。別所社長は「地域振興やエネルギーの地産地消を推進し、町民に信頼して取引してもらえる企業を目指す」と述べた。(足立篤史)
2016/05/16
2016年5月16日
長野県中東部、八ヶ岳の西麓に位置する茅野市。東京から特急と車を利用して約2時間半、市内の蓼科高原は避暑地としても有名で、温泉施設も多い。
その高原に2011年6月、運転休止中の小水力発電所が再開した。今回紹介する蓼科発電所だ。運営を手がけるのは、大手総合商社である丸紅株式会社の子会社、三峰川(みぶがわ)電力株式会社。同県伊那市で50年以上にわたり水力発電事業を手がけるベテランである。
●発電所の再生と開発のスタンス
戦後まもなく、全国津々浦々に送配電が行き渡っていなかった頃、標高約1300mにある温泉街も電力が確保できていなかった。そこで1954年(昭和29年)、地元の蓼科開発農業協同組合(以下、組合)は、農業用水にも使われている天竜川水系の小斉(こさい)川の流れを活用した出力250kWの旧蓼科発電所を建設、電線を温泉施設などに自分たちで引いて、一帯に電力供給を始めたのである。
やがて、電力会社によって安定的に電気が供給されるようになると、当初の発電所の価値が次第に失われていく。維持管理の負担は大きくなり老朽化も進む。改修費用など到底捻出できない。50年以上にわたり地域を支えてきた発電所は、ついに2007年発電施設のトラブルをきっかけに運転休止に追い込まれる。組合としても、そのまま放置しておくわけにもいかないため、発電所の処分を三峰川電力に依頼したのである。
このことが運命を大きく変えることになる。
(続きは転載元より有料登録のうえ閲覧できます)