2013/12/19
小田原市内で自然エネルギーの普及を目指す「小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会」の会合が18日、同市役所で開かれ、小水力発電の検討状況などが報告された。荻窪用水など市内2カ所の候補地を対象に、水利関係者との合意形成といった課題を整理した上で、2014年度以降に事業化計画を策定する。
小水力発電は、身近な河川や農業用水などを活用でき、太陽光など再生可能エネルギーの中では稼働率が比較的高いのが特徴。東京電力福島第1原発事故以降、安全な地域分散型電源として全国各地で導入事例が増えている。
同協議会では12年8月、検討チームを設けて調査に着手。候補地の選定作業を進める一方、水利組合や自治会の代表ら関係者もチームに参加、協議を行ってきた。
その結果が同日の会合で報告された。候補地は、同市水之尾の「荻窪用水」と同市久野の「坊所川の民間発電所跡」周辺の2カ所。発電能力を左右する平均流量は荻窪用水が1秒当たり0・6立方メートル、坊所川は0・05立方メートルだった。
荻窪用水については、100キロワット以上の発電で採算性を確保するために必要とされる0・1立方メートルの最低ラインをクリア。ただ、水利権者ら関係者が多数おり、合意形成が課題とされた。
一方、坊所川では利害関係者は少ないものの、流量不足などが懸念材料になった。
同協議会では引き続き詳細調査を実施、河川法など規制の調整や発電施設の建設費算出、採算性を分析した結果を来年3月までにまとめる。これを受けて、具体の事業化計画を策定する予定という。
このほか、協議会が1年前に設立した「ほうとくエネルギー」が来年1月下旬に市立小学校など3カ所の屋上を借りて太陽光発電事業をスタートさせるとの報告があった。
委員からは「避難所の非常用電源にもなるのだから、防災対策として夜間に電力を得られるように蓄電設備も導入すべき」「エネルギー問題に関心を持ってもらう教材としても活用したい」などの意見が出された。
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1312180027/
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