2013/12/09
長大はフィリピン・ミンダナオ島の複数エリアで、小水力発電事業を現地企業と共同で進めている。一連の事業の一つであるアシガ川小水力発電事業で、水力発電機を日本メーカーの富士・フォイトハイドロ(川崎市)から調達することが決定。12月6日に東京都内で関係者による調印式が実施された。横軸フランシス型水車発電機(定格落差108.44m、定格流量9.0m3/秒、出力4MW)を2基、調達する。
アシガ川小水力発電事業は、最大出力8MWの発電施設を事業費約30億円(1フィリピンペソ=2.3円で算定)で開発するプロジェクト。現時点では15年の運営開始を目指している。長大は、同島の大手建設会社エクイパルコ社(ブトゥアン市)と開発投資会社ツインピーク・ハイドロ・リソース社(同)、メトロマニラのケソン市に本社を置く小水力発電コンサルティング会社ハイドロ・リソースマネジメント・アンド・コンサルタンシーと、12年4月に基本契約書を締結。事業を推進する特別目的会社(SPC)として、アシガ・グリーン・エナジー社(AGEC)を共同出資で立ち上げている。
長大はSPCに対して、エンジニアリング・レビュー、施工監理、発電機の導入、維持管理などに関するコンサルティングや助言を行う役割を担う。発電機調達では、日本メーカー限定のショートリスト方式で、2社が入札に参加。事業関係者による評価を経て11月末に富士・フォイトハイドロが第一優先交渉権者に決定し、最終的な契約調印に至った。同社は、大手電機メーカーの富士電機とドイツの発電機メーカーであるフォイトハイドロ社が、折半出資で1997年に設立した会社。
アシガ川のほか、ミンダナオ島内のタギボ川では事業費約17億円で最大出力約5MW、同じくワワ川では約91億円で約23MWの小水力発電施設の建設事業が進行中。いずれもアシガ川と同様に、現地企業とのSPCによる事業スキームで進められている。
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