2013/11/30
市民とつくる再生可能エネルギーのシンボルとして、小田原市の小水力発電モデル事業が本格的にスタートした。このほど、地元の小田原城北工業高校の生徒7人が現地を視察、清掃など準備作業を始めた。
モデル事業で活用するのは同市荻窪にある「駒形水車」。江戸時代に開削された農業用の「荻窪用水」に地元住民が設置したもので、精米作業などに使っていた。
市内では現存する唯一の水車小屋。1996年に所有組合から市に寄贈され、地域の文化遺産として保存されている。2013年度に実施している施設改修に合わせ、小水力発電設備を併設する計画。
市の呼び掛けに、同校の電気研究部のメンバーがボランティアで協力。改修工事が終わった後、水車の回転数を計測して発電機を選定、活用法を検討して来年3月までに稼働させる。
市エネルギー政策推進課によると、現地の用水は落差が少なく発電量は限られる。ただ、市街地に近くバス通りに面しているため、得られた電気を使った街灯や発電の仕組みが分かる説明板を設置、市民啓発につなげていくという。
同市は東京電力福島第1原発の事故を受け、官民一体による再生可能エネルギーの普及に取り組んでいる。小学校の屋上など市有施設を開放した太陽光発電の屋根貸し事業をスタートさせ、民間のメガソーラー(大規模太陽光発電)開設も積極的に後押しし、地域分散型電源の確保を目指している。