2017/02/22
2017年2月22日掲載
小水力発電所の取り組み評価
県営ダムの放流水を使った有田川町営二川小水力発電所の取り組みが、新エネルギーの普及に貢献した団体などに贈られる一般財団法人「新エネルギー財団」の「新エネ大賞」で、「資源エネルギー庁長官賞」を受賞した。多目的ダムに町営の小水力発電所を作って売電する取り組みで、県内では初の受賞。同町では「環境教育なども行い、子供たちにとって地元の誇りの一つになれば」と話している。
同大賞は、新エネルギーの普及や導入の促進に貢献した団体などに贈られ、平成8年度に始まった。
有田川上流にある県営二川ダムでは、下流の水質維持のため約30メートルの高さから、毎秒約0・7トン放流。その未利用の水「維持放流水」を利用して発電する。県営ダムを利用して全国にも例がない町営の小水力発電所を作った先行事例となったことが評価された。
同町は、21年4月から県と協議。維持放流設備の費用の町負担分を50%から0・3%へ減額するなど協議を進め、28年2月、同発電所が完成した。総事業費約2億8千万円。
現在は、約300世帯分にあたる年間約120万キロワットを発電し、関西電力に売電。年間約4300万円以上の利益が出ており、事業費も7年後には回収できる見通しで、今後は再生可能エネルギーの普及や環境教育などに活用していく予定という。
同町では、ごみの分別が徹底され、資源ごみ収集のコストが低く抑えられることから従来、町が業者に委託料を支払っていた資源ゴミの収集業務について、業者が町に料金を支払う「マイナス入札」を実施。削減分を取り組みに活用していることなども高く評価された。
同町環境衛生課の担当者は「老朽化したインフラを使った太陽光発電の取り組みも進めている。個人や地域コミュニティーでも参画してもらい、『エコのまち』のイメージをつくっていきたい」と力を込めた。
http://www.sankei.com/region/news/170222/rgn1702220057-n1.html