2017/02/14
2017年2月14日掲載
大分県内の地場企業が小水力発電所の設計・施工を共同でする連合体を組み、全国からの受注に力を入れている。各社の技術力を結集してコストダウンと納期短縮を実現し、大手に対抗。下請けの立場から脱却し、利益が出せる事業を目指している。再生可能エネルギーの普及や、発電所を生かした農村の活性化にも貢献したい考え。東京であるエネルギー関連の展示会「ENEX」(15~17日)に出展し、知名度を高める。
参加企業は、エネフォレスト、ターボブレード、トランスコミュニカ、戸高製作所、興栄(以上、大分市)AKシステム(由布市)ニシジマ精機(佐伯市)臼杵鋼鈑工業所(臼杵市)の8社。それぞれ総合エンジニアリング、水車や設備の設計製作、遠隔制御、電気工事・発電所建設と専門分野が異なる。
小水力発電は農業用水路を利用するケースが多い。各社は土地改良区などから農業用水路に設置する小水力発電所などを共同受注。「連携を密に強みを結集することで大手に負けない技術で、安く、早く納品できる。大手の下請けで同じ仕事をするより利益も出せる」と臼杵鋼鈑の加嶋久嗣社長。連合体として県内外で、発電所や水車など10件の納入実績があるという。
再生エネ固定価格買い取り制度の開始以降、小水力発電所は増えている。九州は送電網の容量不足で出力50キロワット以上の新設は困難な状況だが「50キロワット未満でも設置の余地はあるし、全国にはまだ適地が多い」とエネフォレストの木原倫文社長。
小水力発電所の悩みである水路のごみを除去する装置も共同開発中で、既設の発電所にも売り込んでいく計画だ。
木原社長は「小水力発電は売電収入や電力の農業利用で農村を潤す力も秘める。展示会では再生エネ先進県・大分にある連合企業体として実績と強みをアピールし、受注拡大につなげたい」としている。
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2017/02/14/JD0055465351