2017/02/03
2017年2月3日掲載
有田川町が県営ダムの放流水を使って独自に始めた小水力発電の取り組みが、新エネルギー財団(東京都)が選ぶ「新エネ大賞」で、最高賞に次ぐ「資源エネルギー庁長官賞」を受賞した。県内からは初の受賞で、町の担当者は「大賞は業界では甲子園レベルの大きなもの。町民を挙げた取り組みが評価されてうれしい」と喜んだ。15日に東京で表彰式がある。
同大賞は1996年度に始まり、今回で20回目。毎年、再生可能エネルギーの利用などに取り組む団体を表彰しており、今回は28団体の応募があった。過去の受賞団体には、先進的な企業や自治体が多いという。
有田川町は昨年2月、県営二川ダムが河川の流量維持のために常に放流している「維持放流水」を利用した小水力発電所を設置した。取水口と放出口の高低差が生むエネルギーで水車を回す仕組みで、新エネルギーの固定価格買い取り制度を利用して毎月約400万円の売却益が出ているという。
設置費用には、町民の資源ごみの分別徹底によって得た収益も利用しており、今後は環境教育などの原資として還元する計画だ。同財団は選考理由について、「今までただ流すだけだった放流水を使うという発想や、町の所有でない県営ダムに設置するために粘り強く交渉を続けた過程を評価したい」と話した。【稲生陽】