2016/05/09
2016年5月9日掲載
静岡県は、大井川右岸地域3,512haの田畑を潤す大井川用水を活用した小水力発電所2カ所が完成したと発表した。
完成した西方発電所(菊川市)および伊達方発電所(掛川市)は、農業用水を活用した小水力発電として県営で初めて事業化された。ここで発電された電気の収益は土地改良区が管理する水利施設の光熱費や点検・補修費等に充当され、施設の維持管理費の負担軽減を実現する。
この負担軽減により、農業用水を管理する土地改良区の体質強化が図られ、多彩な農産物を産出する同地域の農業のさらなる発展が期待される。
また、水力発電は純国産の再生可能エネルギーであり、発電するのに二酸化炭素を発生しないクリーンエネルギーでもあるため、安全安心で持続可能な社会の構築に寄与するとともに、県の進める「エネルギーの地産地消」の推進にも貢献する。
この2カ所の発電所で、一般家庭約600戸分の年間消費電力量を賄える。西方発電所の使用水量は1.8~4.8立米/秒、出力(最大/常時)は169kW/33kW、年間可能発電量は105.1万kWh。伊達方発電所の使用水量は1.7~4.7立米/秒、出力(最大/常時)は142kW/30kW、年間可能発電量は90.6万kWh。水車形式はともに水中タービン水車。
なお、5月23日に両発電所の開所式を西方発電所敷地内で開催する。