2016/04/26
2016年4月26日掲載
長大がフィリピン・ミンダナオ島で現地企業などと展開している地域開発プロジェクトで、新たな取り組みが始動した。同島北東部・北アグサン州ブトゥアン市を中心とするカラガ地域を対象に今後、現地企業などと共同で再生可能エネルギー事業のマスタープランを策定。既に実施している小水力・バイオマスに加え、太陽光や地熱を活用した発電事業を展開する。地域・経済開発に直結する事業として、長大らは温室効果ガス削減の2国間クレジット制度(JCM)の獲得を目指す。
同島で展開する再生可能エネ事業には長大をはじめ、▽基礎地盤コンサルタンツ(東京都江東区、岩崎公俊社長)▽自然電力(福岡県中央区、磯野謙社長)▽アラムポート(東京都文京区、小谷文人社長)▽エクイパルコ(ブトゥアン市、ロニービック・ラグナダ社長)▽ツインピーク(同、高野元秀社長)-の6社が参画。22日に同市で事業実施に向けた覚書を交換した。
6社は、産業振興や雇用創出と低炭素型地域開発を両立する電力供給の基本計画としてマスプラを策定。同市に提案して計画への理解と協力を求めていく。プラン策定と並行し、長大ら日系企業が持つ再生可能エネ開発のノウハウを活用して太陽光、風力、地熱の各発電事業を早ければ年内にも具体化させる。
長大やエクイパルコは、11年から同市で小水力発電事業や水道供給コンセッション、アグリビジネスなどを展開。民間主導型PPPによる地域開発を進めている。事業着手から5年が経過し、各事業が軌道に乗りつつあることから、16年から5年間をプロジェクトの第2段階と位置付け、再生可能エネ開発の拡大や低炭素型工業団地の整備を推進。日本とフィリピンの行政機関も巻き込む形でPPPによる地域開発を本格化させる。
長大は、自ら投資するなどして積極的にプロジェクトに関与するとともに、日本の企業や技術を事業に活用する橋渡し役を担当。海外で得た地域開発のノウハウを国内に逆輸入し、地方創生にも貢献する考えだ。
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