2015/12/21
2015年12月21日号掲載
小田原市(神奈川県)で11月13日、14日の両日「市民・地域共同発電所全国フォーラム2015 小田原大会」が開催された。主催は、市民・地域共同発電所全国フォーラムin小田原2015実行委員会、創発的地域づくり連携推進センター酒匂川流域小田原支部。
再エネを地方創生へとつなげる
全国各地から市民発電所の関係者や、企業、自治体、研究者などが2日間で延べ600人以上集まり、情報交換した。フォーラムの分科会では「里山資源のエネルギー利用と地域活性」など100人の定員を超え、立ち見が出るほどの盛況だった。
全国の市民・地域共同発電所は現在800基を超えており(主催者資料)、参加者が各自の取り組み例や今後の展望などを、活発に発言し合った。
同大会実行委員長氏川 恵次氏や加藤 憲一小田原市長、小水力発電モデル(開成町あじさい公園発電所)を運営する足柄上郡開成町 府川 裕一町長があいさつした。
エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議(エネ経会議)代表理事で小田原商工会議所会頭(鈴廣かまぼこグループ副社長)鈴木 悌介氏は講演で、「エネルギーのことをどれだけ地域でできるかは、地方創生にもつながる」「エネルギーを創ることで地域での雇用やお金を回すしくみができる」として、「新しい現実を作っていこう」と呼びかけた。
その後の総合セッションでは、加藤市長、志澤 昌彦ほうとくエネルギー副社長、豊岡 和美徳島地域エネルギー事務局長、佐々木 健洋福島県農民連事務局次長、吉中 由紀パルシステム神奈川ゆめコープ理事長らがパネリストとして登壇。それぞれの地域での取り組みについて語った。
小田原市の取り組みとしては、官民協働で、ほうとくエネルギー(本社:神奈川県小田原市)の設立に至ったこと、メガソーラーや公共施設の屋根貸し事業などで太陽光発電事業を展開していることなどが紹介された。
加藤市長は、市でも再エネ率を高めるエネルギー計画を策定していることなどから、取り組みを成功させるには「人と人とのつながりを大切にし、社会的合意を得ることが必要」「各家庭でも考えることが大事」と訴えた。
最後に、2日間で取りまとめた「再生可能エネルギー導入促進に向けてのアピール」を、大会実行委員の岡部 幸江大磯エネシフト理事長が読み上げた。
フォーラムにあわせて開催された視察ツアーでは、メガソーラーきらめきの丘おおい(大井町)、小水力発電施設(開成町)、ほうとくエネルギーのメガソーラー(小田原市)、辻村農園小水力発電遺構(小田原市/坊所川)、鈴廣かまぼこ本社ゼロエネルギービルなどを見学。
フォーラム参加者らからは「充実した内容で、勉強になった」「小田原のポテンシャルの高さに驚いた」「地元に帰ってこの体験を生かしたい」などの声があった。
開成町あじさい公園発電所/あじさい公園東側の農業用水路内に設置された開放型らせん水車(写真提供 開成町)
http://www.kankyo-business.jp/column/011837.php
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