2015/01/31
周南市四熊井谷地区にある棚田で、高低差を利用した小水力発電設備が完成した。発電した電気は設備の近くに設けた発光ダイオード(LED)照明2基に利用し、通学路を照らす。県によると、棚田の落差を利用した小水力発電の導入は県内では初めて。
導入したのは、地元住民らでつくる「井谷地区を守る 会」。同会理事で農家の水井賢二さん(68)が「再生可能エネルギーを使って、照明の少ない地区内で夜の通学路だけでも明るく照らせないか」と考えたこと がきっかけだった。中山間地などで簡易型小水力発電の普及を目指す県の補助事業を活用できると知り、名乗りを上げた。
設備の費用は総額100万円。昨年12月、棚田の農業用水路に 約1メートルの高さから落ちる水を動力にするポリ塩化ビニール製水車(直径、幅約35センチ)を設置した。昼間は水車を回して充電し、夜間はたまった電気 で人や車に反応するセンサー付きLED照明の電力をまかなう仕組み。水車の調整を続け、今月中旬に完成した。
水井さんは「明かりを見た子どもたちが古里の自然や環境に関心を持ってくれれば」と話している。
http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/local/yamaguchi/20150131-OYS1T50035.html