2015/01/09
岡山大学大学院環境生命科学研究科の比江島慎二准教授らのグループは、潮流発電や小水力発電の製造、販売など を手がける大学発ベンチャー企業「Hydro―VENUS(ハイドロビーナス)」を月内に設立する。比江島准教授らが開発した水の流れにより半円柱型の振 り子を振動させて発電する水力発電機の普及などを目指す。エナジーフロント(岡山市)、アクシア(岡山県倉敷市)、サカテ工業(岡山市)の3社との共同出 資によって設立する。代表には比江島准教授が就く予定だ。
開発した小水力発電機「ハイドロビーナス」(比江島准教授提供)
水力発電機は水より軽い中空の半円柱を水中に沈めて下端を回転軸に固定する。円柱には浮力が働くため鉛直に自 立した状態を保つ。円柱の周りを水が流れると、周期的に渦が発生。その渦の力が作用することで水流と直角方向に振り子が振動する。この運動で回転軸を往復 回転させ、発電機に伝えて発電する。
比江島准教授らは、岡山市内の下水処理場に1号機を設置して、発電実験を進めている。試算によると、長さ95センチの振り子を毎秒1メートルの流れに設置した場合の発電量は100ワット。