2014/11/27
富山県は26日までに、富山市中島の国指定重要文化財「富岩運河中島閘門(こうもん)」の一部である中島水門で、小水力発電を行う方針を固めた。富岩水 上ラインの見どころとして知られる約2・5メートルの水位差を生かして発電し、周辺の街路灯への電力供給や公共施設への再生可能エネルギー設備導入を目指 す。2016年度までに稼働させ、富岩運河の新たな魅力とする。
発電は、中島水門の放水路に発電機を設置し、流れ落ちる水の力で水車を回す方法などを想定している。港湾課が県教委生涯学習・文化財室と相談、閘門の設 備を保護し、景観を損なわない方法を検討している。発電量は年間7万8840キロワット時で、電力会社への売電を予定している。
県商工企画課によると、富山県は利用可能な水力エネルギー量である「包蔵水力」が全国で岐阜県に次ぐ2位で、26日現在、農業用水や河川を活用して大小24カ所の小水力発電設備が稼働している。県は2016年度までに30カ所に増やす目標を立てている。
小水力発電は、発電能力が出力1千キロワット以下で、東日本大震災以降、天候に左右されない再生可能エネルギーとして注目される。中島水門での発電には環境省の再生可能エネルギー等導入推進基金(グリーンニューディール基金)を活用する。
県港湾課の神埜(こうの)進課長は「景観美で知られる中島閘門で小水力発電を行うことで、富岩運河の新たな魅力を生み出したい」と話している。
発電機器の設置を予定している放水路=富山市中島
http://www.hokkoku.co.jp/subpage/T20141127201.htm