2014/10/22
【2014年10月22日(水)夕刊】
西胆振の企業、室工大で構成する産学交流プラザ創造(会長・北山茂一アール・アンド・イー社長)は21日夜、同大の活動拠点・テクノアゴラ(室蘭市輪西町)でシーズ発表会を開いた。小水力発電に着目し、新たな開発テーマを求めて見識を深めた。
創造はこれまでNHK室蘭放送局前のオブジェ・FURAIの再生事業や、函館野外塾の水舞台設計など、大学と企業間の連携でプロジェクトに取り組んでいる。今回は小水力発電を研究する同大くらし環境系領域社会基盤ユニットの中津川誠教授を講師に招いた。
小水力は出力1万キロワット以下の発電を指す。中津川教授は、山梨県都留市の小水力市民発電所の試みを紹介。「上掛け、下掛け、らせんの3種類の水車を市街地の水路に導入した。売電だけでなく一部電力はエコハウスの暖房、植物工場に利用し付加価値をつけている」と指摘した。
太陽光や風力と比べ、水力は設備が60年と長持ちする点から「発電コストが低く設備稼働率が高い。水さえ確保できれば人為的にコントロールした発電ができる」と強調。同大が研究した空知川の金山ダムの事例では、洪水に備えて水が貯められる容量分を小水力に活用する手法も伝えた。
法規制などの課題はあるものの「普通河川であれば室蘭市内にも存在し、小水力発電ができる可能性がある」とした。メンバーからは「創造として何かできないか」との声が挙がり、さらに検討を深める方針だ。
創造は35社の企業と室工大でつくり、情報交換や企業見学会などを通して連携を深め、一致協力して研究開発に取り組む。事務局は室蘭テクノセンターが担っている。
(粟島暁浩)
http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2014/10/22/20141022e_01.html
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