2018/08/29
2018年08月28日掲載
遊佐町を流れる月光川と、酒田市・遊佐町を流れる日向川を活用した2つの小水力発電所が稼働を始めた。27日、月光川地区の「平津小水力発電所」の竣工(しゅんこう)式が同町小原田で行われた。県が建設した小水力施設の稼働は庄内地方で初めて。発電した電力は全て東北電力に売電する。
平津小水力発電所は、2014年度に着工し、先月18日に完成、同30日に発電を開始した。月光川土地改良区(石垣敏勝理事長)が県から譲渡を受け、管理・運営する。総事業費は3億900万円。国が50%、県が25%、同改良区が15%、遊佐町が10%を負担。月光川と発電所間の10メートルの落差を利用し、水の流れでタービンを回して発電する。年間発電量は365メガワット時、年間売電額は約1300万円を見込む。同改良区は、おおよそ10年をかけて負担金を返済し、売電分を農業用水路の維持管理に回すことで農家の負担軽減につなげる考えだ。この日は神事に続き、石垣理事長や時田博機町長らが通電セレモニーを行った。石垣理事長は「農業用水を回すための電気代だけで年間1800万円がかかる。売電で農家の負担を少しでも減らしたい」と話した。
日向川の「日向川小水力発電所」は酒田市福山に建設し、平津の約2倍の規模。総事業費は約6億円で、先月30日に発電を開始した。日向川土地改良区が管理・運営する。年間発電量は670メガワット時、年間売電量は約2450万円を見込む。今月31日に現地で竣工式を行う予定。