2013/09/03
福岡県は発電事業を実施していない県営ダムを対象に小水力発電の可能性を検討して、収益性の高いダムから発電事業に着手する。第1弾は地元の自治体が事業者になり、2014年度中に運転を開始する予定だ。売電収入によって20年間に1億4800万円の利益を生み出せる見込みである。
[石田雅也,スマートジャパン]
県営ダムで実施する小水力発電の第1弾に決まったのは、県西部の糸島市にある「瑞梅寺(ずいばいじ)ダム」である(図1)。もともと洪水対策のために1977年に造られたダムで、高さは64メートル、総貯水量は242万立方メートルある。このダムから下流に常に放流している水量を生かして発電する。
発電に利用できる水量は最大で毎秒0.3立方メートルになる。この水流を水車式の発電機に通すことで99kWの電力を作り出す(図2)。年間の発電量は66万8000kWhになる予想で、約200世帯分の電力使用量に相当する。固定価格買取制度では200kW未満の小水力発電の買取価格は1kWhあたり34円であることから、年間の売電収入は2270万円になる。買取期間の20年間で4億5400万円の収入を期待できる・・・
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