2016/04/27
2016年4月27日掲載
県企業局が建設を進めてきた小水力発電施設「宇部丸山発電所」が26日、運転を開始した。再生可能エネルギー固定価格買い取り制度を活用した県内2カ所目の施設で、企業局ではモデル施設として活用し、小水力発電に取り組む市町、団体に技術支援を行うとともに、県民への普及啓発を図っていく。
丸山ダムから取水している上水と工業用水の未利用落差を有効活用しようと2015年から建設が始まった。出力は最大130キロワットで、年間発電量は一般家庭約160世帯分に相当する57万1000キロワット時を見込む。売電先は中国電力で、価格は1キロワット時あたり34円(税抜き)。
既設の取水塔内に設置された流量調整バルブ2台のうち1台を水車発電機に置き換えることで、建設費を抑えており、総工費は2億2800万円。売電により初期費用を14年で回収で
きるという。
施設は西宇部北5丁目にある厚東川工業用水道事務所で一括管理。制御室で流量調節、発電機の運転停止など機器の状態を監視する。
運転開始にあたり、企業局電気工水課の河井秀作課長は「萩市の相原発電所に続いて二つ目の小水力発電所の稼働にこぎつけホッとしている。採算性が小水力発電の大きな課題となっているが、今後は施設見学なども実施し、小水力発電の普及啓発に努めたい」と話した。