2014/12/20
大鹿小水力発電 大鹿村は18日、鹿塩の小塩地区に整備した「小塩小水力発電施設」の通電式を現地で開いた。一帯は地すべり危険区域にあり、地すべり防止用工事で水抜きされた水を活用。発電した電力は再生可能エネルギー固定価格買い取り制度を活用し、全量売電する。
落差は約30メートル、水量は毎秒16リットル。水車型の小水力発電システムを設置し、出力は平均2・4キロワット。
再生可能エネルギー固定買い取り制度により、1キロワット当たり34円で売電する。試算だと、収入は年間59万円ほどになり、20年間でおよそ1183万円を見込む。総事業費は536万円で、10年で発電施設の初期費用を償却できる見通しだ。
通電式には柳島貞康村長や村議、発電システムのメーカーら約20人が出席。発電施設が披露され、通電を開始した。柳島村長は「水源が豊富な大鹿の特性を生かした発電施設が完成し、大変うれしい。条件が良いところが他にもあれば取り組みたい」と話した。
村住民税務課によると、小塩地区では1994(平成6)年、国の直轄事業として地すべりを防止するためのトンネル(小塩第一隧道)が掘られ、そこから黒いパイプを通して水抜きしている。一定量の水を近くの小塩沢川に流しており、村は発電に必要な水を確保できると判断。取水用のパイプを新たに取り付け、水車型の小水力発電システムを設置することになった。
水車は直径30センチ、幅6センチのステンレス製。注ぎ込まれた水を使って回転させることで水車の脇にある発電機を稼働させる。
小水力発電は、固定価格買い取り制度の対象で、高低差と豊富な水量が確保できる山間部が好適地とされている。