2014/11/13
立梅用水の歴史をまとめた記念誌=多気町朝柄で </td>
多気町丹生から松阪市飯南町粥見に流れる「立梅用水」が国の登録記念物などに登録されたのを受け、利水者でつくる「水土里ネット立梅用水」が、用 水の歴史や概要をまとめた記念誌を発行した。北川薫理事長は「この一冊を読めば、立梅用水のすべてが分かる。これを機に地域の宝を知ってほしい」と一読を 呼び掛けている。
立梅用水は、江戸時代後期の一八二三(文政六)年に整備されたかんがい用水。全長は二十八キロあり、櫛田川を水源とする。
十月に用水路として全国で初めて国の登録記念物に選定された。国際かんがい排水委員会(ICID、本部インド・ニューデリー)も今秋、「かんがい 施設遺産」に選んだ。約百九十年にわたり地域が守ってきた歴史に加え、防火や教育、小水力発電など、多用な価値を生み出している点が評価された。
記念誌はA4判百四十一ページ。内容は三部に分かれる。
一部では、多気町教委が史資料を基にまとめた用水の歴史や現状を写真を添えて紹介した。
二部では、用水の歴史を小説風に著した「立梅用水史」(折戸清三郎さん著=同町丹生出身)を掲載した。小中学生にも楽しめるよう、漢字にふりがなを振ったほか、専門用語には注釈を加えた。
三部では、整備を企画した西村彦左衛門の一生に迫った「西村為秋傳(でん)」(大西源一さん著=同町弟国出身)を載せた。
計千二百部を刷り、利水者らに配った。希望者には三千円で販売する。
北川理事長は「この歴史的価値を地域振興にどうつなげばいいか、一緒に考えてほしい」とPRしている。(問)水土里ネット立梅用水=0598(49)4522
(吉野淳一)
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20141111/CK2014111102000018.html