2014/10/04
◆地元企業と名大がシステム開発へ
効率の高い小水力発電の開発を目指す井手社長(右)と内山教授。手に持っているのが、新たに考案した水車=熱海市西山町で
経済産業省所管の独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)の委託事業。エコ技術の開発普及を手掛ける熱海市の民間企業「インターフェイスラボ」(井手由紀雄社長)と、名古屋大が共同で取り組む。
糸川は県管理の二級河川。県河川砂防管理課によると、県管理の河川で電力会社と県を除いて水力発電する唯一のケースとなる。
糸川から取水し、五メートルの落差で発電する。川の流量や水車の回転数が発電量に及ぼす影響を調べ、羽根の数や形を変え、効率の高い水車を開発する。
これまでの小水力発電は、飛行機のプロペラのように中央の軸から羽根が広がる水車を導水管内に設置。管の中央がふさがれ、落ち葉が詰まる原因となっていた。発電効率が落ち、ごみを取り除く必要があり、維持費がかさむ問題があった。
名古屋大エコトピア科学研究所の内山知実(ともみ)教授(52)が考案した新型水車は、導水管の内壁自体に羽根を設置するタイプ。管の中央部に空間ができるため、水を通しやすく、ごみが詰まりにくい。
内山教授によると、世界初の装置で、昨年に特許を出願している。内山教授は「現在の出力は四〇ワットだが、羽根の形を工夫するなどして二〇〇ワッ トまで引きあげたい」と願う。井手社長は「建設費と稼働率の低さが小水力発電の普及を阻む課題。地形にかかわらず利用できるシステムの規格化が目標」と話 した。
(斉藤明彦)
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20141005/CK2014100402000287.html