2014/09/09
水力発電機器の東北小水力発電(秋田市)と芦野工業(山形市)は共同で、発電効率の高い水車を開発する。発電出力1万キロワット未満の小水力発電向けで、2017年3月までの商品化を目指す。
開発するのは水の圧力と速度をランナー(羽根車)に作用させる水車で、多数の羽がついて水を取り込む。多様な落差と流量に対応できることから、国内の水力発電施設では最も多く採用されているという。
東北小水力発電が水の流れを解析して、最適な羽根の形状を設計する。芦野工業が試作機を製造し、実証実験を行う。水流のエネルギーを電力に換える発電効率は、従来品で最も高い91%より4ポイント高い95%を目指す。価格は従来品とほぼ同じ2億円(設備一式)に設定したい考え。
小水力発電設備は設置場所の状況に応じて個別に設計する。様々な場所で使えるよう解析データ蓄積し、設置場所ごとの設計変更などの経費を抑えられるようにする。
製品は両社それぞれのブランドで販売する計画。固定価格買い取り制度を追い風に、発電設備の新設や既存施設の更新需要を見込む。5年後の年間販売額はそれぞれ20億円を目指す。