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2014/07/02

ため池に小水力発電所…美郷【読売新聞】


小水力発電◎の開発企業「東北小水力発電」(秋田市)は2日、美郷町金沢東根の仏沢(ほとけざわ)ため池に最大出力199キロ・ワットの小水力発電所を建設すると発表した。9月に工事に取りかかり、来年4月の運転開始を目指す。

同社によると、事業費は約2億5000万円。想定年間発電量は97万1000キロ・ワット時で、一般家庭約280世帯分の年間使用量に相当するという。 電力は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を利用して東北電力に売電する。年間売電額は3300万円と見積もり、7、8年で投資額を回収できると 計画している。

同社は「ノースエスコジャパン」の社名で自家発電機の販売などを行っていたが、11年3月の東日本大震災で再生可能エネルギーが注目されるなか、同年 10月に現社名に変更し、小水力発電事業に特化した企業として再出発した。これまで仙北市の農業用水路で小水力発電の実証実験を行っており、本格的な売電 事業としては仏沢ため池が第1号となる。

仏沢ため池は面積約14ヘクタール、貯水量約112万立方メートルの農業用ため池。年間を通じ水量が豊富なことや、発電設備を設置する水の出口と、取水 口の高低差が最大で約27メートルあるため、十分な落差が得られることから適地と判断した。ため池を管理している七滝土地改良区には使用料などが支払われ る。

計画では、灌漑(かんがい)用として仏沢ため池に整備されている配管を利用する。止水弁で配管内を水で満たした後、勢いよく落下した水で水車を回して発電する。

県庁で記者会見した同社の和久礼次郎社長は、「小水力発電は天候に左右されず、安定した発電ができる。今後、ため池活用方式の小水力発電所の建設を広めたい」と話した。

◎小水力発電 農業用水路などを利用して行う小規模な水力発電。既存の設備を活用するため、ダムを新たに造るより小さな資金で建設できる。再生可能エネルギーによる電力を高く買い取る固定価格買い取り制度で採算が合うようになり注目されている。

http://www.yomiuri.co.jp/local/akita/news/20140702-OYTNT50289.html

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