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2014/01/08

北海道/小水力発電導入基本計画素案/農業水利施設活用、対象は204カ所【建設工業新聞】

 北海道は、農業水利施設を活用した小水力発電導入基本整備計画の素案をまとめた。道内で小水力発電の可能性を有する農業水利施設は204カ所で、賦存量は年間発電電力量で2万5907メガワットと試算。一方で、既存水利権では経済性が十分確保できない場合が多く、新たな発電用水利権取得が必要になるなど課題も指摘し、取り組み方針として市町村などへの技術支援や国費事業を活用した導入検討などを挙げた。
 素案では、道内の農業水利施設を対象に行ったアンケートを基に、小水力発電の賦存量を算定。施設別ではダムが98カ所で年間発電電力量が2万0255メガワット、ため池が76カ所で222メガワット、用水路が30カ所で5430メガワット。合計の2万5907メガワットは、一般家庭約7200戸分の年間消費電力量に相当するとしている。
 一方で、素案では建設費の自己負担比率や取水期間、取水量を変化させ複数のパターンで経済性を試算。北海道の場合は、水田用水の水利権の取水期間が短いため、発電期間も制限されるため、既存のかんがい用水利権では建設費自己負担比率が100%の場合に経済性が見込まれる施設はゼロ、50%の場合でも1カ所にとどまる。ただ、取水期間や取水量を増やせば経済性が見込める施設が増えることから、導入に向けては、新規に発電用水利権を取得し、取水期間の延長や取水量の増加により経済性を向上させる必要性を指摘。簡易検討による接続可能容量の確認や変電所への対策工事など電力会社への接続に向けた事前協議も課題に挙げた。
 道ではこうした課題を踏まえ、市町村や土地改良区らと設立した北海道農業水利施設小水力発電推進協議会を通じて情報共有や課題の検討など連携を深めるとともに、小水力等再生可能エネルギー導入推進事業などの国費事業を活用した導入検討など、導入環境の向上に向けた取り組みを積極的に展開することにしている。

http://www.decn.co.jp/?p=3731

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