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2013/12/30

県営ダムで小水力発電構想 11カ所対象に研究始める【信濃毎日新聞】

 県建設部は29日までに、管理する16ダムのうち、発電に使っていない11ダムで、民間活力を生かした小水力発電を実施する研究を始めた。既存のダム施設を有効活用して発電し、自然エネルギーの拡大を図る狙い。効率の高い発電を目指すため、技術力やアイデアのある民間事業者を募ることを検討している。事業者が県に支払うダム使用料などをダムの維持管理費に充てることで、県負担の軽減にもつなげていく狙いだ。

 東京電力福島第1原発の事故の影響などで、太陽光発電や水力発電など再生可能エネルギーに対する関心が高まっているが、有望な水力発電地点は電力会社などが既に開発している場合が多く、自然保護の観点から新たなダム建設には反対が根強い。

 県内外の水力発電に詳しい信州大工学部(長野市)の飯尾昭一郎准教授は、県の構想について「複数のダムに小水力発電の導入を目指すのは全国的にも珍しいのではないか」とした上で、「新設水力発電所の適地がなくなっている日本で積極的に進めるべき方法だ」としている。

 県建設部の構想だと、ダムから水道用水を取った後に余った水が河川に戻る水路などに発電施設を設置し、ダムから流れ落ちる水の勢いを生かすことを検討している。ダムは山間部にあるため周辺に余剰スペースが多く、発電施設を設置しやすいという。発電施設は民間事業者が設置し、電力会社に売電したり、事業に使用したりする。県にはダムの使用料金を支払う。

 同部は今後、11ダムについて設備や立地条件を精査していく方針。水量や落差などから堤高72メートルの箕輪ダム(上伊那郡箕輪町)などが「有望」としている。

 県建設部は、ダムの使用目的に発電を加えることに伴う事務手続きが明確ではないことや、事業者が支払う使用料をどの程度に設定すれば適切なのか見極めることが課題と説明。「課題が整理されれば、実施に向けて進めていきたい」(河川課)としている。

http://www.shinmai.co.jp/news/20131230/KT131226ATI090013000.php

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