過去に投稿された記事の一覧です。

2016/05/06

雪国の農業用水路から83世帯分の電力、発電効率90%以上で安定供給【スマートジャパン】

2016年5月6日掲載
 岩手県の北部の山岳地帯から宮城県の太平洋沿岸まで、東北で最も長い北上川が250キロメートルにわたって緩やかに流れ続けている。流域のうち最も上流にあるのが松川だ。この松川の水を利用した農業用水路で4月27日に小水力発電が始まった。

 新たに運転を開始した「松川小水力発電所」は、全国各地に再生可能エネルギーの発電事業を展開する洸陽電機が建設・運営している。農業用水路を管理する松川土地改良区や立地自治体の八幡平市(はちまんたいし)と連携して実現した。

 発電能力は37kW(キロワット)で、小水力発電の中でも規模は小さいほうだ。それでも年間の発電量は30万kWh(キロワット時)を見込んでいて、一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して83世帯分に相当する電力を供給できる。洸陽電機は発電した電力の全量を固定価格買取制度で売電する。

 小水力発電を実施するにあたって農業用水路の落差工(らくさこう)を利用した。落差工は用水路に段差を設けたもので、水路の勾配を安定させる役割がある。落差工に沿って発電設備を設置すると、上流部分から水を取り込んで効率的に発電できる。農業用水路で小水力発電を実施する場合の標準的な方法である。

 松川小水力発電所では発電に利用できる水流の落差は6.7メートルになる。農業用水路から毎秒0.91立方メートルの水を取り込むことができる。この水量は年間を通じて安定しているため、発電量も安定するメリットがある。設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は92%に達して、小水力発電の標準である60%をはるかに上回る見通しだ。

「従属発電」で水利権の手続きが簡単に

 発電設備には北陸精機が富山県立大学と共同で開発した「パワーアルキメデス(高落差圧力管タイプ)」を採用した。スクリュー型の水車の上部に小型の発電機を備えていて、5メートル以上の落差がある場合に適用できる。

 松川小水力発電所では農業用水路の落差工の脇に発電設備を設置した。上流から取り込んだ水流は導水管を通って水車に送り込む。スクリュー型の水車が水流を受けながら回転して、上部の発電機を駆動する仕組みだ。

 発電後の水流は再び農業用水路に戻すため、下流の水量に影響は生じない。このように水量に影響を与えない小水力発電の形態を「従属発電」と呼ぶ。従来は農業用水路を利用した小水力発電でも自治体から水利権の許可をとる必要があったが、2013年12月の河川法の改正によって従属発電の場合には登録するだけで済むようになった。手続きが簡単になったことで全国各地の農業用水路に小水力発電が広がり始めている。

http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1605/06/news031.html

2016/05/05

静岡県で農業用水を利用した小水力発電、一般家庭約600戸分の電力を発電【新電力ネット】

2016年5月5日掲載
5月2日、静岡県は小水力発電所2ヶ所が完成したため、開所式を行うと発表しました。農業用水を活用した小水力発電では、県営としては初めて事業化された内容となります。(一般社団法人エネルギー情報センター 新電力ネット運営事務局)

農業用水で小水力発電、最大出力は2ヶ所で約310kW

 今回完成した小水力発電は、大井川右岸地域3512haの田畑を潤す大井川用水を活用したものであり、西方及び伊達方発電所の2ヶ所となります。農業用水を活用した小水力発電では、県営としては初めて事業化されたものです。
 この小水力発電による電力収益は、水利施設の光熱費や点検・補修費等に充当され、施設の維持管理費の負担軽減が図られます。この負担軽減により、農業用水を管理する土地改良区の体質強化が図られ、多彩な農産物を産出する本地域の農業のさらなる発展に寄与します(図1)。
 今回完成した2ヶ所の小水力発電所により、年間約200万kWhが発電されます。この電力量は、一般家庭約600戸分の年間消費電力量を賄える規模となります(表1)。
 小水力発電は純国産の再生可能エネルギーであり、発電の際に二酸化炭素が発生しないクリーンエネルギーです。持続可能な社会の構築に寄与するとともに、静岡県の進める「エネルギーの地産地消」推進にも貢献する発電方法であるといえます。

5月23日に小水力発電所の開所式を開催

 5月23日の10時から、西方発電所敷地内において開所式が開催される予定です(図2)。主催は農家の人たちでつくられた組織である大井川右岸土地改良区、協賛は省エネルギー・環境対応商材を展開する静岡の総合商社である鈴与商事株式会社となります(表2)。

国営では大井川用水を活用した小水力発電が平成25年に稼働

 「箱根八里は馬でも越すが越すに越されぬ大井川」と馬子唄に唄われた大井川は、南アルプス白根間ノ岳(3189m)に源を発し駿河湾に流入する流路延長186km、流域面積1280km2の急流河川です。この大井川用水は、日本を代表する用水のひとつとして、農林水産省の疏水百選に選定されており、周辺は農業の盛んな大地が広がっています。農業用水の確保などに必要な基幹水利施設は、昭和22年度から43年度にかけて実施された「国営大井川農業水利事業」により整備されました。
 この「国営大井川農業水利事業」が完了し約40年が経過した頃、施設の老朽化による機能低下などが生じてきました。そのため、新たに「国営大井川用水農業水利事業」が平成11年度に着工されました。この事業の中で、土地改良施設の維持管理費の低減を図るため、用水路(落差工)の改修にあわせ小水力発電所が建設されました。平成23年8月から建設が行われ、平成25年6月に完成、同年7月より本格稼働しています(図3)。
 建設された小水力発電所は年間で約430万kWhの発電量となります。この発電量は、一般家庭約1200戸分となります。また、CO2の削減効果は約2.2千トン/年であり、約16万本の杉が吸収する量と同等となります(表3)。

(写真・表は省略しております)

http://pps-net.org/column/17996

2016/05/04

上伊那美和土地改良区 小水力発電が稼働【長野日報】

2016年5月4日掲載
 伊那市長谷の上伊那美和土地改良区(北原幸彦理事長)が非持の美和一環水路で建設を進めてきた小水力発電施設が完成し、稼働している。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を活用し、県内では土地改として初めての取り組み。発電した全量は和泉原の揚水ポンプの電力をまかなう。
 美和土地改は黒川の鷹岩ダムから非持山までの12.5キロの一環水路を管理している。水路は農閑期にも一定の水量があり、非持の水路トンネル出口に落差がある。老朽化で維持管理の費用がかさんでいるため、発電で経費削減を図る。
 有効落差は12.6メートル、使用水量は毎秒0.16立方メートル、最大可能出力は12キロワット、管路延長は70メートル。1年を通じて24時間稼働する。
 建物は鉄筋コンクリートの地上1階地下1階で、美和湖を望む高台に建つ。地下部分にスクリュー水車の発電機を設置。流量を調整し、スクリューを保護するための砂やごみを取り除く水槽を備える。

総工費は9500万円で国と県、市から9割の補助を受けた。残り1割の950万円は美和土地改が負担し、6年半で償却する見込み。

http://www.nagano-np.co.jp/articles/3195

2016/04/28

保川などの新規発電調査/「丘の公園」あり方検討/16年度重点施策【山梨建設新聞】

2016年4月28日
 県企業局は、2016年度の重点施策をまとめた。電気事業では保川などの新規水力発電地点の調査、天科水力発電所の改修工事などを、地域振興事業では「丘の公園」(北杜市)のあり方について検討する。
 低炭素社会の実現や自立・分散型エネルギー社会の構築に向けて、小水力発電などの開発や再生可能エネルギーの安定利用など「グリーン・イノベーション」を推進する。
 新規水力発電開発調査では、保川地点の現地調査や関係機関協議、他の開発地点の調査を行う。小水力発電所では、重川発電所建設工事や他開発地点の調査を推進する。米倉山における電力貯蔵技術では、上半期から短周期蓄電システムについて、下半期からは中周期蓄電システムについて実証研究を進める。
 電気事業や温泉事業、地域振興事業の基盤強化にも取り組む。
 電気事業では、既存の水力発電所の改良や修繕として天科発電所の改修工事および増出力を、17年6月完成へ向けて推進する。石和温泉給湯施設では安定供給を継続。「丘の公園」については、内部および外部委員会において、指定管理期間終了後のあり方を協議する。
 そのほか、県営水力発電所で発電した安価な電力を県内企業などへ供給する「やまなしパワー」では、既存企業について、一次募集企業へ4月から、二次募集企業へ6月から電力供給を開始する。新規・経営拡大企業への供給も受け付ける。「やまなしパワー」による電力供給目標は年間4億7000万KWh。
(続きは転載元にて会員登録のうえ閲覧できます)

https://www.nikoukei.co.jp/kijidetail/00309687

2016/04/28

県北で再生エネ発電続々 軽米は出力県内最大規模【岩手日報】

2016年5月2日掲載
 県北地域で、民間企業や県による再生可能エネルギーを使った発電所の建設が進んでいる。27日は一戸町、軽米町、八幡平市で木質バイオマス、風力、太陽光、小水力の4発電所の竣工(しゅんこう)式や起工式が行われ、関係者が各発電事業の成功や工事の安全を祈った。

<軽米、19年7月稼働目指す>

 再生可能エネルギー開発業レノバ(東京都千代田区、木南陽介社長)は、軽米町山内に建設する大規模太陽光発電所(メガソーラー)「軽米西ソーラー発電所」の起工式を現地で行った。最大出力は県内最大規模の4万8千キロワットで、5月9日に着工し、2019年7月の稼働を目指す。
 同発電所は八戸自動車道折爪サービスエリア(SA)西側約155ヘクタールの山林にパネル約22万枚を設置。年間発電量は一般家庭1万5千世帯分に相当する5千万キロワット時を見込む。

<一戸、木質バイオマス発電>

 一戸町の一戸フォレストパワー(小林直人社長)が同町岩舘の一戸インター工業団地で整備していた木質バイオマス発電施設「御所野縄文発電所」など3施設が完成し、現地で施設見学会と竣工報告会を開いた。
 施設の延べ床面積は発電、チップ製造、電力供給の3施設合わせて約4804平方メートル。5月上旬から試運転を行い、5月下旬にも本格稼働する。出力6250キロワット、年間発電量は4950万キロワット時で、一般家庭約1万5千世帯分に相当する。

<一戸、風車11基を設置へ>

 県が一戸町の高森高原に整備する大規模風力発電所の安全祈願祭は、現地で行われた。2017年11月の完成、本格稼働を目指す。
 建設場所は、町南西部に位置する高森高原の町営放牧場周辺。総事業費約127億円をかけ、羽根中心部までの高さ78メートル、羽根の直径82メートルの風車を11基設置する計画だ。県内で初めて、風力の変化に対応し、より安定的に出力できる「蓄電池併設型」として整備。最大出力は約2万5300キロワットで、一般家庭1万6千世帯分の年間使用量に当たる発電を見込む。

<八幡平、農業用水生かす>

 神戸市東灘区の洸陽電機(資本金3億6725万円、乾正博社長)が八幡平市松尾寄木に建設していた小水力発電所が完成し、同所で竣工式を行った。
 松川土地改良区が管理する後藤川幹線水路の農業用水を利用。年間発電量は30万キロワット時で、一般家庭約92世帯分の年間消費電力量に相当し、全量東北電力に売電する。

https://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20160428_6

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