2019/01/11
2019年1月11日掲載
三菱マテリアルは2018年12月、秋田県北秋田市小又川水系に水力発電所「小又川新発電所」を建設すると発表した。1953年(昭和28年)に完成した「小又川第四発電所」以来、同社にとって66年ぶりの新規水力発電所で、2019年5月に着工し、2022年12月の完成を予定している。
同社は、「再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)」の施行を機に、森吉ダムを中心とした小又川水系で営業運転中の小又川第一、第二および第四発電所の効率的運用による電源増加策、ならびに小又川第一および第二発電所の経年対策について検討を進めてきた。
今回建設する発電所は、森吉ダム直下の小又川第四発電所の放流口から直接取水し、ずい道で約8.5km下流に水を導き、有効落差約90メートルを確保して最大出力1万326kW(キロワット)、年間発電量約4万8500MWh(メガワット時)の発電を行う計画だ。
「小又川第四発電所」 出典:三菱マテリアル
また、今回の建設に併せ、河川環境保全と維持のために正常流量の放流も設定した。これに伴い、小又川第一および第二発電所については今後の維持管理費用増加も踏まえ、小又川新発電所の完成を機に、その役目を終えるこ。ただ、新発電所の完成により、全体の発電能力は2860kW増え、年間発電量は約1万3400MWhの増加となる。
新発電所操業による年間のCO2削減量はおよそ9800トンを見込んでおり、これは40年生のスギ人工林約1100ha(ヘクタール)分のCO2吸収量に相当する。また、新発電所建設計画において周囲の環境に与える影響については自主環境アセスメントを行っており、工事はその結果や行政の指導などを踏まえ、環境に配慮しながら実施する方針だ。
https://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1901/11/news041.html