2014/05/14
明電舎が小水力発電分野を強化 【電気新聞】
電舎は13日、中小水力発電プラントメーカーのイームル工業(広島県東広島市、中井雄三社長)への出資比率を引き上げると発表した。7月1日付でイームル工業が保有する株式を買い取る形で、出資比率を現行の15.6%から33%へ高める。これにより、明電舎は中国電力に代わってイームル工業の筆頭株主に浮上する。2012年7月に開始したFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)で拡大が期待される小水力発電システム市場を確実に取り込むため、同分野で強みを持つイームル工業と技術開発を中心に連携を強化する。
◆イームル工業筆頭株主に
明電舎は、可変速制御技術を採用した自立運転可能な「可変速型小水力発電機」の開発を進めている。今後、イームル工業の持つ水車の効率向上、小型化、低コスト化のノウハウを生かした製品開発を共同で行い、小水力発電システムの高効率利用につなげていく。イームル工業も主力エリアとしていた西日本地域に加え、東日本地域へ業容の拡大を図る。
両社は技術開発を中心に人材、営業・サービスの面でも関係を強化する方針だ。既に、4月1日付で明電舎の山田哲夫・前常任監査役がイームル工業の専務執行役員として派遣されている。
明電舎は4月から各事業部、支社・支店に分かれていた水力事業を統括する専門組織として「水力発電事業推進部」を発足させるなど、同事業に対する攻勢を強めている。
今回のイームル工業との連携強化も、その一環。今後増加が予想される既設プラントの更新需要やFITに基づく新設需要に対応し、受注拡大を図る構え。17年度には水力分野全体の受注高を直近の年約20億円から、60億円と3倍に引き上げる考えだ。
紙面より転載