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2015/05/22

明電舎、中小水力事業に注力 サービス提供を一元化【電気新聞】

 明電舎は中小水力発電事業で、2017年度に100億円以上の売上高を目指す。14年度実績の63億円から6割超の伸びとなる。14年度に同社が筆頭株主となったイームル工業(広島県東広島市、中井雄三社長)と明電舎の合計売上高として100億円以上を目標とする。FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)を背景に、小水力発電の導入が国内で進むと予測。ESCO(省エネルギーサービス)、クラウド、ワンストップサービスといった仕組みを駆使し、目標達成を図る。
 明電舎は14年7月、中国電力のグループ会社で水車メーカーのイームル工業への出資比率を33%に高め、筆頭株主となった。明電舎の永久磁石発電機、可変速コンバーター盤とイームル工業の水車を組み合わせるなどし、事業展開している。イームル工業の水車は最大2万5千キロワットで、それを上回る容量については東芝と協業している。
 14年度売上高実績の内訳は、明電舎34億円、イームル工業29億円の計63億円。17年度には明電舎75億円、イームル工業30億円の計105億円に伸ばす。計105億円にはサービス事業が含まれない。既に14年度の受注は明電舎で70億円超、イームル工業で30億円超に達している。
 明電舎は15年度に、3年間の中期経営計画「V120」をスタート。17年度の売上高目標は14年度比約400億円増の2700億円であり、中小水力事業も成長を支える柱としたい考えだ。
 国内では小水力のFIT認定がようやく立ち上がってきた段階。今後は新規認定が急速に拡大していく見通しだ。また、総包蔵水力量の約3割が未開発であり、小水力事業のポテンシャルは大きい。1950年前後に運転を開始した明電舎の設備が多いことから、約20年以降には更新需要も増えてくる見込みという。
 明電舎は、FITによる売電収入をもとに山形県の小水力発電所を改修するESCO事業に協力している。同社では「こういった取り組みを水平展開したい」(三井田健副社長)考え。クラウドを用い、公営水力など水力事業者の維持管理業務を支える「水力発電クラウド」の提案も強化する。また、予兆・解析・診断などの情報サービス、運用・維持管理、設備・システム販売、発電設備修繕・更新などをワンストップサービスとして展開していく。

紙面より転載

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