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2014/03/04

湧き水利用 エコ発電【読売新聞】

小水力発電を調整する荒井さん(右端)ら(東久留米市で)

都内で唯一「平成の名水百選」に選ばれた東久留米市の南沢湧水群の湧水が流れる落合川支流の水路で、住民などのグループ「東久留米・湧水力発電の 会」が“湧水力発電”を進めている。都心に近い住宅地内での小水力発電の試みは珍しく、同会代表の荒井和男さん(64)は「まだできる電力は小さいが、エ ネルギー問題に関心を持ってもらうきっかけになれば」と話している。

荒井さんは、地元の市民グループ「東久留米・川くらぶ」に参加し、落合川や黒目川の環境保全活動や、子供たちが参加できる川のイベントなどに取り 組んでいた。東日本大震災で停電になった岩手県大槌町で、水力発電で電力を補っていた人がいたことを知り、「大槌と同じ湧水の町である東久留米でもできる のでは」と思い立ったという。

だが、水力発電装置の設置には、河川法で土地占用や工作物設置の許可、そのための調査、水利権の取得など様々なハードルがある。都などに相談して も、設置の困難さを思い知らされただけだった。それでも、水利権も存在しない小さな川もあることを知り、管理者の市とも交渉を続けた。市も「地域の自然エ ネルギー活用の啓発になるなら」とバックアップした。

設置場所は、南沢水辺公園と住宅に挟まれている水路で、幅数メートル、深さ20センチ前後程度の水が安定的に流れている場所に決まった。発電装置 は、埼玉県行田市の自然エネルギー装置などを製造している株式会社「風憩セコロ」が提供。縦107センチ横83センチ高さ125センチの箱形の枠に入った 水車タイプ。発電力は3ワット程度で、昨年11月、まず装置を川に据え、騒音などの調査を経て、同12月23日、発電した電気を公園内のトイレに設置した 発光ダイオード(LED)ライトにつなぎ、点灯に成功した。この場所の近くでは、市内の私立学校・自由学園がかつて水力発電をしていたこともあり、活動に は自由学園の生徒有志も参加した。

機器の故障で発電が一時中断したが、修理して2月から再開。荒井さんは「第一の目的は啓発だが、災害時の予備電力に使えるぐらいに、発電量も大きくしたい」と話している。

都内では、都が奥多摩町と青梅市の多摩川水系に持つ三つの水力発電所など既存のものに加え、都水道局は給水施設を利用した小水力発電を行っている。民間でも奥多摩町などで設置された。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/news/20140303-OYT8T01505.htm

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