2016/03/31
2016年3月31日発表
株式会社日本政策投資銀行(代表取締役社長:柳正憲、以下「DBJ」という。)は、このたび調査レポート「小水力発電事業を通じた地方創生のすすめ」を発行しました。
電力の固定価格買取制度(以下「FIT」という。)の導入以降、FITを活用した再生可能エネルギーの導入を通じた地域活性化策が各地で取り組まれる一方、電源別に見ると太陽光のシェアが極めて高く、その影響による新たな出力抑制ルールが導入される等の課題も認められています。
平成27年度に公表された「2030年の望ましい電源構成(以下「ベストミックス」という。)」案では、原子力の比率が引き下げられた一方で、再生可能エネルギーは原子力を上回る比率が示されており、太陽光の導入が抑制される中、かかる比率実現には出力変動の少ない安定的な電源の確保が不可欠です。しかしながら、FIT開始以降、これらの導入に大幅な進捗は認められません。
当レポートでは、かかる安定的な電源の中でも特に普及に適した特性を持ち、地域活性化効果も認められる小水力発電に注目し、その推進に向けた課題と今後の見通しについてとりまとめました。
当レポートの主な内容は以下の通りです。
(1) ベストミックス案における再生可能エネルギー比率のうち水力は最大となっているが、他の電源に比し潜在的な伸び率が必ずしも大きくないことから、現状のエネルギー政策全体では小水力は大きく注目されていない可能性がある。
(2) 小水力発電は、安定電源の中で最も普及に適した特性があり、分散電源、長期安定運営の面からの価値が高いことに加え、地域において相応の規模の事業創出効果があることや、地域資産の有効活用が見込まれるなど、多くの地域活性化効果があり、地方創生の観点からも意義が認められる。
(3) 一方で、小水力発電の普及のためには、水力にFITを適用する場合の制度上の問題や系統連系接続の課題、機器の生産能力や人材不足、関連法制度等といった課題も多く、事業環境の改善に向けた関係者の取り組みが求められる。
当レポートをご希望の方は、DBJウェブサイト「その他レポート」(http://www.dbj.jp/investigate/etc/index.html 新規ウインドウで開きます)に掲載していますので、ご参照ください。
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