過去に投稿された記事の一覧です。

2017/01/20

取水口、滝の下流に 観音の滝水力発電【佐賀新聞】

2017年1月20日掲載
 唐津市七山滝川の「観音の滝」周辺で計画されている小水力発電所について、事業主体の九州発電(本社・鹿児島市)が、取水口の位置を滝の上流から下流に変更する方針を示していることが19日、分かった。滝の流量が減り、景観に影響することを心配する住民の声に配慮した。20日午後7時から七山公民館で開かれる住民説明会で提案する。
 当初は、滝の上流約250メートルに取水口を設け、滝川川の左岸に導水管を埋設。滝を迂回(うかい)して約1・6キロ下流の発電所に水を送り、約160メートルの高低差を利用して発電する計画だった。変更案は、発電所の位置は変えないものの、取水口を滝の下流約200メートルに設け、滝の流量に影響を与えないようにした。導水管の長さは約1キロに縮まり、高低差は約90メートルになる。
 同社によると、発電量は年間820万キロワット時から472万キロワット時に変更し、一般家庭約2500世帯分から1300~1500世帯分に減るという。
 計画変更の方針は、18日夜の七山地区駐在員会で九州発電から各地区の代表者に伝えられた。
 発電所建設を巡っては、昨年11月の住民説明会で、滝の景観や観光への影響を懸念する声が相次いだ。
 同社の担当者は「滝の水量を維持する方法も模索したが、滝を避ける方がベストだと考えた」と話し、「滝に対する住民の皆さんの思い入れを感じた。不信感を少なくして発電事業ができれば」としている。

http://kabukei.jp/posts/5376467

2016/11/10

唐津市の水力発電 住民「水量減り具合、実験を」【佐賀新聞】

2016年11月10日掲載
 唐津市七山滝川の観音の滝周辺で計画されている小水力発電所を巡り、七山地区全体の住民を対象にした説明会が8日夜、七山公民館で開かれた。発電用の取水で滝の流量がどの程度減少するのか、事業主体の九州発電(本社・鹿児島市)に実証実験を求める意見が住民側から相次いだ。
 住民約90人が参加し、九州発電の担当者が説明した。1年で最も滝の流量が少なくなる冬場の写真を示し水量減少のイメージを伝えた。稼働した場合、滝川など関係3地区に支払う協力金とは別に、消防団の備品購入などで七山地区全体を支援する考えも示した。
 質疑では「水がどのくらい減るのか、やってみないと分からない」「パイプを置いて実験してほしい」と、目に見える形で示すよう求める声が続いた。滝川区の住民からは、区の役員が一定の任期で交代することを踏まえ、「同意の協定書を結ぶ場合、唐津市は立会人ではなく、窓口になるべき」という意見も出た。
 九州発電は、稼働時と同様の状況をつくる実験に技術面などで難色を示したが、検討する姿勢は見せた。古田功社長は「宿題がいくつか出た。これには必ず回答させていただく」と述べた。今後のスケジュールについては未定としている。

http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/375215

2016/10/28

七山の小水力発電、8日に住民説明会【佐賀新聞】

2016年10月28日掲載
 唐津市七山の観音の滝周辺で計画されている小水力発電所建設についての説明会が、11月8日午後7時から七山公民館で開かれる。事業主体の九州発電(本社・鹿児島市)が、七山地区全体の住民を対象に事業内容を説明する。

 発電用に取水することで滝の流量が減るため、住民の一部からは景観への影響を心配する声も上がっている。同社は説明会で、発電所建設に直接関係する滝川区や東木浦区、西木浦区以外の住民にも理解を求める方針。

 滝川区は26日夜、区の会合を開いた。8日の全体説明会での意見を踏まえた上で、区として建設に同意するかどうかを判断する方針を申し合わせた。

http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/370986

2016/10/22

九州発電、小水力発電計画を説明 観音の滝「一定の水量を確保」【佐賀新聞】

2016年10月22日掲載
 唐津市七山の観音の滝周辺で計画されている小水力発電所建設をめぐる説明会が21日、七山市民センターで開かれた地区の駐在員会であった。事業主体の九州発電(本社・鹿児島市)の担当者が、一定の水量を確保し、景観に配慮して計画を進める考えを示した。
 発電所建設に直接関係する滝川区や東木浦区、西木浦区以外に、計画の概要が詳しく伝わっていないという声を受けて市が説明の機会をつくり、七山の全14地区の代表が出席した。
 出席者からは滝の景観を心配する質問が続いた。九州発電の担当者は、過去10年間の水量を計算した上で取水量を算出したことを説明し、「滝の水がなくなるようなことはない」とした。地元の滝川区と協定を結んだ場合に順守する姿勢や、発電所が設置されれば観光施設として開放し、地域に貢献する意向も示した。
 市への質問もあり、七山市民センターの平野勝文センター長は「計画に問題がなければ静観する立場。ただ、景観だけは損なわないようにと当初からお願いしている」と答えた。
 滝川区は同社と結ぶ協定書案を検討中で、案をもとに区の会合で計画への賛否を問う方針にしている。

http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/368886

2016/10/09

日本百選「観音の滝」に小水力発電計画【佐賀新聞】

2016年10月09日掲載

 地元滝川区「活性化願い2年前誘致」
 周辺は懸念「流量減れば観光に影響」

 「日本の滝百選」に選ばれている唐津市七山の「観音の滝」一帯で、小水力発電所の建設計画が進められている。水資源を生かして高齢化が進む地域の活性化につなげようと、地元の滝川区の住民が2年前に誘致を働き掛けた。具体化に向けた動きが進む一方、周辺地区の住民からは滝の流量低下による観光面への影響を懸念する声も出ている。

 観音の滝は高さ45メートル、幅10メートル。豪快な水しぶきを上げて流れ落ちる景観を目当てに、年間数万人が訪れる。毎年夏には1千人以上が参加する国際渓流滝登り大会でにぎわう。

 発電所は、鹿児島県内で5カ所の小水力発電所を手がける九州発電(本社・鹿児島市、古田功社長)が売電を目的に計画している。同社によると、滝の上流約250メートルに取水口を設け、滝がある滝川川の左岸に導水管を埋設。滝を迂回(うかい)して約1・6キロ下流の発電所へ水を送り、約160メートルの高低差を利用して発電する。最大出力は1750キロワットで、発電量は年間860万キロワット時。一般家庭2600~3千世帯分の電力を賄えるといい、事業費は約20億円。

 滝の流量は夏場の多い時期が毎秒約3トン、最も少ない2月は毎秒0・3トン程度。同社は発電用の取水量を毎秒0・26~1・42トンと見込み、観光客が多い日中は滝へ水を流すことを優先すると説明している。佐賀県と事前の確認作業を進めているといい、「景観は守ることができるし、生物にも影響がない」としている。

 滝川区の役員は2014年に誘致を働き掛け、鹿児島の発電所を見学するなどしてきた。農繁期や滝登りの際に取水を止めることや、稼働後に問題があれば水量を協議できる項目を盛り込んだ協定書案を作り、区会で諮る予定にしている。

 同社は売電収入に応じた協力金を区に支払い、環境整備などで貢献する姿勢を示している。15年4月に区長を引き継いだ阿部栄さん(62)は「少子高齢化で地域の活力が弱まっている現状がある。将来を考えると、メリットはある」と受け止めているが、「区内では建設を歓迎する声と心配する声がある」とも話す。

 滝川区の意向で進む計画に不満の声もある。滝登り実行委の60代男性は「随時、勇ましい水が流れてこその観音の滝。水が減った場合、滝登り以前に、観光地として成り立つのか」と不安がる。別の地区の60代男性も、旧七山村時代から滝周辺が観光地として整備されてきた経緯を挙げ「滝は滝川だけのものじゃない。計画はガラス張りで進めてほしい」と強調する。

 市企画政策課は「再生可能エネルギーの推進自体はいいこと。市の環境条例に違反している訳でもない」と静観している。業者には地元の同意をしっかり取るように伝えているといい、協定締結時には立会人を務め、内容が履行されているか定期的に確認する方針。

 同社はこれまで、計画に関係する滝川区や木浦区で計7回の説明会を開いたという。早ければ今月中にも滝川区と協定を結び、来年度にも着工したい考えだ。計画への不安が根強いことについては「反対を押し切ってまで計画を進めるつもりはない。要望があれば、どこでも説明したい」と話している。

http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/364523

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