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2013/08/13

水車くるくる 室内明々 – 手作り小水力発電【奈良新聞:2013/08/13】

集会所(奥の建物)に明かりをともした殿川地区の手作り水車。この日は県議会エネルギー政策推進特別委員会が視察=5日、吉野町殿川吉野町殿川地区で、住民が手作りの水車を回し、集会所の明かりをともした。同町三茶屋地区にも吉野杉の水車が設置され、身近な自然エネルギーを利用する小水力発電の取り組みが広がっている。

殿川集会所に設置された木製水車は直径1・6メートルで、排水溝の水流で24時間回転。中心部に自転車のハブ発電機を取り付けた。

1カ月間の蓄電で、2カ所の和室(12畳、9畳)と台所の照明、冷蔵庫、井戸ポンプの全電気量を約5時間分まかなえる。今後は「72時間」を目指す。

同地区は標高450メートルの山間にある集落で、雪や台風で停電が起きることも多い。大規模な災害が発生すれば孤立する危険度も高く、電源の確保は切実な問題になっていた。

ただ発電機の購入は当初から念頭になかったと言い、1年がかりで小水力発電に取り組んできた。「発電機を回すには燃料など大きなエネルギーが必要。身近な自然エネルギーで何とかしたいと思った」と制作グループの唯一行さん(66)は話す。

吉野町では今年1月、区長会や町、市民グループ、各種団体が町小水力利用推進協議会(竹内一会長)を発足。専門家のアドバイスも得て活動を広げた。

技術指導した京都市立伏見工業高校の足立善彦教頭(60)は「知恵と工夫があれば大丈夫。エネルギーを作り出すのは人のエネルギーだ」と力を入れる。

三茶屋地区には6月、常識をくつがえす吉野スギの大水車(直径3メートル)がお目見え。つくった電気でサクラをライトアップしている。

スギはマツなどより耐水性に劣るが「老朽化したらまた作ればいい」と地元産材を使うことに。大西治雄・前自治会長(66)は「自治会(35世帯)総出のボランティアで2カ月かけて完成した。こんな自治会はありません」と胸を張る。

東日本大震災以後、再生可能エネルギーへの関心が高まり、同協議会にも県内外から視察が相次ぐ。竹内会長(60)は「地域実情に合わせて小水力の利用の仕方は違うがもっと広げたい。そして町や吉野地域全体が活性化すれば」と期待する。

http://www.nara-np.co.jp/20130813091301.html

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