2014/02/21
宮崎県企業局においては、東日本大震災以降、再生可能エネルギーの開発・導入への関心が高まっているなかで、本県の恵まれた水資源を有効に活用するため、これまで培ってきた技術やノウハウを生かせる小水力発電に積極的に取り組んでいます。
県内に小水力発電を広く普及させるためには、地域に身近に存在する小規模なものについても、地域の手で開発を進めていくことが重要です。これを支援する ため、企業局では市町村と共同でモデル発電所を建設する「市町村連携マイクロ水力発電実証試験事業」を行っています。
このモデル発電所を運用することにより、企業局は運転データを取得し、今後の市町村等への支援に生かすとともに、市町村等においては、維持 管理のノウハウ等を取得していただくこととしております。また、この事業のもうひとつの目的は、小水力発電の分かり易いモデルを示し、多くの方々に見てい ただくことにより、小水力発電への理解を深めていただくことです。
※下小原発電所について
下小原発電所は、実証試験事業第一号発電所として企業局と日之影町とが共同で建設し、平成26年2月4日に運転を開始しました。発電した電気は全量九州電力へ売電しています。 企業局は発電機器を購入・設置し、日之影町は建屋・配管等の附属設備を整備しました。 今後、日之影町は地元と協同で除塵や設備の点検等の施設管理を行うことにしています。 また、企業局は運用状況の検証や技術支援を行っていきます。 小水力発電に興味をお持ちの方は、是非現地に足を運んでみてください。 問い合わせ先 宮崎県企業局 工務課 計画調査担当 電話 (0985) 26-9884 E-mail kigyo-komu@pref.miyazaki.lg.jp 日之影町への問い合わせについては、日之影町建設課 電話(0982)87-3909 へお願いします。 |
※小水力発電とは
小水力発電はダムなど大規模な開発は伴わず、小河川や農業用水路など身近に存在する水の持つエネルギーを活用した小規模な発電です。一般的な水力発電と同様に、昼夜を問わず安定して発電できることや、耐用年数が長いことが特徴です。
また、水力発電は、古くから利用されてきた再生可能エネルギーであり、大規模な地点は既に開発されていますので、さらに普及させるためには、地域に身近に存在する水を利用した小規模なものを数多く開発していく必要があります。 この下小原発電所は、最大出力が5kWであり、比較的規模が大きいので、売電タイプとしました。 |
所在地 |
宮崎県西臼杵郡日之影町大字分城755-17
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河川名 |
五ヶ瀬川水系日向川の支川
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用水路管理者 |
下小原用水組合
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最大出力 |
5kW
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最大使用水量 |
40L/s
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最大有効落差 |
30m
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水車型式 |
クロスフロー水車
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水圧管路延長 |
160m |
年間発電電力量(見込) |
2万6千kWh |
売電単価 |
34円/kWh(消費税抜) |
建設費 |
約19百万円(うち企業局分約10百万円)
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その他 |
自立運転機能付き
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下小原地区は日之影町の南東部に位置し、東側を二又川に、西側を日向川に挟まれた高台にある戸数11の集落です。宮崎市から 車で3時間半の位置にあります。急峻な地形を活用した階段状の農地で、水稲、畜産、ミニトマトのハウス栽培、くり・ユズ及び椎茸栽培等を組み合わせた営農 を行っています。
また、地区の女性部は農林産物加工グループ「小原の里」を結成し、地場産物を利用した弁当等を販売するなど地区内外との交流や地域の活性化に取り組んでいます。
3年間の実証試験が終了し、この発電所が地域に移管された際の売電収入は、農業用水路の維持管理費用に充当することで、個人の負担を軽減したり、地域の共通財源として地域の活性化につながる施設の整備に活用することも可能になります。
発電所の運転開始式を平成26年2月4日に行いました。式には、佐藤日之影町長や下小原用水組合、下小原集落の代表者等、関係の皆様に出席していただきました。
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宮崎県企業局 工務課 計画調査担当
電話:0985-26-9884
FAX:0985-26-9789