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2016/06/09

近代産業の礎照らす 三居沢の歴史パネルに【河北新報】

2016年6月8日掲載
 水力発電の国内発祥の地として知られる仙台市青葉区三居沢地区周辺の住民有志が、明治以降の地区の歴史を大型パネル5枚にまとめ、東北電力の三居沢電気百年館に寄贈した。パネルは同館に展示され、紡績、水力発電、カーバイド製造と続いた近代産業の地としての歩みを紹介している。

 パネルは、ともに青葉区八幡在住の東北学院大名誉教授鶴本勝夫さん(73)と、1949~54年に三居沢発電所で勤務した元東北電社員加藤一雄さん(86)が中心となり制作した。
 資料の調査に10年以上費やした労作だ。2010年ごろ、市が保管する公文書に、1888年に水力発電を始めた宮城紡績会社の配置を記した見取り図を発見。当時と現在の写真などとともにパネルに収めた。
 東北電が引き継いだ第3発電所(1000キロワット)は現在も稼働し、国の登録有形文化財に指定されている。紡績会社の跡地(市交通局川内営業所)には当時のクロマツが今も残る。
 水力発電は、三居沢にあった紡績会社が、広瀬川から引いた水で工場の照明用として発電したのが始まり。後に仙台市街にも電力を供給するようになった。
 1902年には、同社の流れを引く宮城紡績電灯の技師で工学博士の藤山常一氏が発電所の余剰電力による電気炉を活用し、カーバイドの試作に成功。国内の電気化学工業の先駆けとなった。
 鶴本さんは「紡績から水力発電、カーバイドに至る三居沢の歴史は東北に明かりをともし、近代産業史の一ページを飾った。多くの人に価値を知ってほしい」と話す。3月には鶴本さんらの要望を受けた市が、紡績会社跡地と牛越橋近くに案内板を設置した。
 三居沢電気百年館は入場無料。開館時間は午前10時~午後4時(月曜休館)

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201606/20160608_13074.html

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