2015/06/03
京都府が6月議会に提案予定の「再生可能エネルギー導入促進条例案」がまとまった。再エネ促進に取り組む団体を登録し、府税を減免する。府によると、独自に税制上の支援まで行う条例は全国の都道府県で初めてといい、成立すれば、府は年度内にも実施計画をまとめる。
条例案では、再エネを太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、バイオマスと定義。これらの導入に取り組む市民や事業者、大学などを「導入支援団体」として知事が登録する。登録団体は、事務局用の土地購入などに掛かる不動産取得税を1回に限り全額免除される。営利を目的にしないNPOなどは、さらに法人府民税の一部も減免される。
中小企業向けには、自家発電と自家消費を促すために法人・個人事業税の減免も行う。再エネ計画が知事に認定され、府内の事業所で設備を導入すると適用される。
一方、延べ床面積2千平方メートル以上の建物を新増築する建築主や、関西電力など電気事業者には、再エネ計画書の提出を義務付ける。
府は福島第1原発事故を受け、2013年5月にエネルギー戦略をまとめ、30年度に府内年間電力使用量(167億キロワット時)の約2割に当たる30億キロワット時を再エネでまかなう数値目標を掲げている。目標達成には、現在の10倍以上の発電量が必要と見込まれるため、条例をつくり促進する。
再生エネルギーについては、国の固定買い取り制度の見直しで、太陽光発電の価格引き下げが予想され、導入拡大の鈍化も懸念されている。府は実施計画で単年度ごとの数値目標を定め、太陽光だけでなく小水力や木質バイオマスなど地域ニーズに合わせた導入を進める方針。山田啓二知事は「税制優遇のほか補助金も導入し、再エネを少しでも前に歩めたい」と話している。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20150603/CK2015060302000166.html
タグ:京都府