2015/02/22
安田琢典 2015年2月22日03時00分
中部地方の高等専門学校7校が小水力発電装置を作り、小川や用水路で実際に稼働させる「小水力発電アイデアコンテスト」が3月22日、豊田市の旭地区で ある。4回目となるコンテストの開催は県内では初めてで、地元の豊田工業高専の学生たちは実用的な発電装置を目指し、最後の調整を重ねている。
同高専から参加するのは、3学科の3~5年生26人。昨年6月、地区内にある小川の河川敷を設置場所に決め、設計から製作まですべて自分たちの手で装置を作り上げてきた。
同高専は「長期的に使える丈夫さを備え、地元の人たちにずっと置いておきたいと思ってもらえる」をテーマに製作してきた。
コンテストでは発電効率や見た目などに加え、地域への貢献度が求められる。過去には発電した電力を使い、農業用水を開閉するアイデアが高く評価されたこともあるという。
今回、設置する場所は流量が多く、勾配がきついことから流速もある。頑丈な鋼鉄製の箱に直径70センチの巨大な水車を入れた装置は、重さ90キロにも達する。学生たちは大会を目前に控え、水漏れなどがないよう最終的な調整を進めている。
設計などを担当した機械工学科3年の山崎研さん(19)は「外見的には地味だが、水の勢いに負けない丈夫さがあり、実用性に秀でている」と話す。また、 今回が3回目の出場となる電気・電子システム工学科5年の青木優吾さん(20)は「天候によって水位が変化する場所への設置は難しいが、うちの技術力なら 大丈夫だ」と意気込む。
コンテストでは、各高専の担当者のほか、見学する地域住民らの評価も反映される。学生を指導する環境都市工学科の山下清吾教授は「学生たちは施設や製作を通じて技術と社会への関わり方を学ぶとともに、地域の担い手として課題を解決する力も培っている」と話している。
見学希望者は3月2日までに豊田市旭支所(0565・68・2211)に申し込む。先着150人。(安田琢典)