2019/01/09
2019/1/9掲載
岡山県北東部の美作地域を拠点とする新電力会社、美作国電力(岡山県津山市)は今夏から家庭向けの電力供給を始めると発表した。津山市など全10市町村を対象に、再生可能エネルギーを中心に大手電力より割安に提供していく。エネルギーの地産地消を進めることで、地域活性化に貢献する考えだ。
同社は岡山県を中心にスーパー「マルイ」を展開するマムハートホールディングス(HD、同)を主体に、津山市周辺の企業などが出資し2018年7月に設立。12月21日付で、小売電気事業者の登録を受けた。
当初は電力を卸売市場から調達し、随時、地域内のダムを中心に小水力発電やバイオマス発電、家庭用太陽光パネルなどの余剰電力の直接買い付けにシフト。最終的に、供給電力量の半分を地域内の再生可能エネルギーで賄いたいとしている。
家庭向けの低圧供給では2月から試験送電を行い、4月に受け付けを開始。6月ごろから本格供給する予定で、初年度に2375世帯、3年後に7500世帯との契約を目指す。販売価格は調整中で、マムハートHDが運営するスーパーのポイントカードへのポイント付与も計画している。
家庭向けに先んじて、3月に事業所や公共施設向けの高圧供給を開始。家庭向けと合わせて初年度に供給電力量2万5000メガワット時、4億2500万円の売り上げを目指す。その後、3年後にそれぞれ9万メガワット時、15億円に引き上げる計画だ。今後も域内の企業や自治体に出資を呼び掛けるほか、発電事業への投資や街おこし事業の支援など手掛ける方針だ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3981422009012019LC0000/