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2014/07/02

日本工営/小水力発電施設整備に相次ぎ着手/長野県高山村と宮崎県椎葉村で 【建設工業新聞】

日本工営は、保有する技術やノウハウを生かした新分野として力を入れている「小水力発電関連事業」で、新施設の整備に相次ぎ着手する。長野県高山村にある砂防ダムを利用する事業で発電所の建設工事を2日に始動。4日には公募型プロポーザル方式で宮崎県椎葉村から受託した村営水力発電所の更新工事に着手する。同社は小水力発電事業で現在、自社開発で13年4月に商業運転を始めた新曽木水力発電所(鹿児島県伊佐市)など国内外で9件(検討中を含む)のプロジェクトを進めている。
 高山村で進める小水力発電事業は、信濃川水系松川に整備され県が管理する高井砂防ダムの堤体に貫通孔を設けて取水し、堤体直下に新設する高井発電所で発電を行う。日本工営と、同社と高山村の共同出資で設立した長野水力(長野市、横田裕史社長)の連携プロジェクト。最大出力は420キロワット、年間発電量は約270万キロワット時を計画しており、発電した電力は全量売電する。日本工営が発電所の建設資金と技術者を提供し、長野水力が事業主体となり発電所の建設、運転・維持管理を行う。15年9月の運転開始を目指す。2日に現地で安全祈願祭を行い、大林組の施工で工事に着手する。
 4日に着工するのは椎葉村間柏原(まかやばる)水力発電所更新工事で、老朽化した村営水力発電所をリニューアルするプロジェクト。日本工営は設計・施工一括で事業を受託。測量・地質調査、実施設計・監理、許認可手続き代行、土木・建築工事、機械設備製作据え付け、電気設備関連工事などを担当する。同社がEPC(設計・調達・施工)契約で水力発電関連事業を受注したのは今回が初めて。更新後の定格出力は740キロワット、年間発電量は386万キロワット時を計画しており、15年3月の運転開始を目指す。
 同社の小水力発電関連事業は、新曽木水力発電所とダムESCOとして受注した寺山ダム発電所(栃木県矢板市)が現時点で運転中。ダムESCOの塩原ダム発電所(栃木県那須塩原市)と福島県いわき市で行う四時ダム発電所は、来春の運転開始に向け建設工事が進む。
 高山、椎葉両村で今週着工する発電所以外にも、北海道遠軽町では16年4月の運転開始を目指して「(仮称)白滝発電所」プロジェクトが進行しており、現在詳細設計に入っている。鹿児島県薩摩川内市でも経済産業省の補助金を活用してらせん水車による水力発電の実証試験を行う。海外ではインドネシア・ジャワ島で定格出力7200キロワットの「チカエンガン水力発電」プロジェクトを計画している。

http://www.decn.co.jp/?p=14625

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