2014/05/29
東京電力は28日、大月市の葛野川(かずのがわ)発電所4号機(出力40万キロワット)を報道陣に公開した。福島第一原発事故により各地の原発が運転停止になり電力が不足するなか、計画を前倒しして建設を急いできた。6月上旬に営業運転を開始する。
葛野川発電所は、甲州市の上日川ダムと大月市の葛野川ダムの間の地下500メートルに建設された揚水式発電所。電力需要の少ない夜間に下の葛野川ダムから上の上日川ダムへ水をくみ上げ、電力需要が高まれば上日川ダムから葛野川ダムへと放流して発電する。一つの水車で水をくみ上げる単段式の揚水式発電所では世界一の714メートルの落差がある。
1999年から2000年にかけて、1、2号機が運転を開始。3、4号機は1996年に工事が始まったが、電力需要が伸びなかったことで2002年に工事を中断していた。しかし、東日本大震災後の電力不足により4号機の工事を再開し、工期を大幅に短縮して今年2月から試運転を始めていた。
東電の担当者は「4号機の運転開始で、夏場の電力消費のピーク時にも電力供給に余裕ができる」と話している。