2018/11/22
2018年11月22日掲載
手取川宮竹用水第2発電所と、手取川宮竹用水土地改良区事務所の完工式典は21日、能美市宮竹町の同事務所で行われ、約200人が地形の落差を生かした小水力発電施設と用水の管理拠点の完成を祝った。発電所の売電で得られる収入は、施設の維持管理費に充てられるため、用水の流域に暮らす農家の負担軽減が図られる見通しだ。
敷地面積は約7200平方メートルで、第2発電所は鉄骨造り平屋建てで347平方メートル。1・8キロ上流の能美市岩本町で取り込んだ用水を直径2メートルの地下埋設管で引き込み、15・4メートルの落差を利用してタービンを回す。
年間発電量は一般家庭約1200世帯分の消費電力に相当する約400万キロワット時で、全量を北陸電力に売却する。売電収入は年1億円程度を見込む。2014年度に事業着手し、今年4月に稼働を開始した。事業費は約22億円で、付帯工事を除く半額は国が助成した。
事務所は鉄骨造り2階建て延べ床面積は636平方メートル、車庫棟は鉄骨平屋建て183平方メートル。能美市寺井町の旧事務所が手狭な上、取水施設などが集まる上流域から離れており、管理の円滑化を目的に移転した。事業費は約4億円となる。
式典では、善田晋作理事長が「第1発電所と合わせると、年間で約2500世帯分の電力を生み出せる。地域の負託に応え、今後も新たな歩みを続ける」と式辞を述べた。谷本正憲知事、平岩裕規北陸農政局次長、作野広昭県議会議長、井出敏朗能美市長が順に祝辞を贈り、焼田宏明県議会副議長の発声で乾杯した。
宮竹用水は手取川左岸の農地を潤す農業用水で、手取川宮竹用水土地改良区は、能美、小松両市の流域で恩恵を受ける、組合員の農家約3250人からの「賦課(ふか)金」で運営されている。第2発電所の完成によって、将来的に賦課金の抑制が見込まれるとされる。