2015/09/16
2015年09月16日 18:16
■学校内の発電設備は全国初
砺波市は16日、同市千保の砺波東部小学校のビオトープで、らせん水車を用いたマイクロ水力発電設備を稼働 させた。らせん水車の考案者は同校区出身で、95年ぶりに校区内で整備された。学校内に発電設備が設けられるのは全国初という。発光ダイオード(LED) で「らせん水車」などと書かれた看板を点灯させ、児童と関係者約140人が完成を祝った。
らせん水車は砺波市秋元で生まれた元井豊蔵が大正時代に考案した。低流量・低落差でも安定的に動力が得られることから国内外で普及した。
マイクロ水力発電は100キロワット未満の発電規模で、水資源が豊富な同市で適用箇所が多い。今回はらせん水車を用いたマイクロ水力発電システムを研究す る石川県立大の瀧本裕士教授と協同アルミ(高岡市)、砺波市の共同事業の実証実験として実施。1日の発電量は約230ワット。実験結果を基に、地域の街灯 や災害時の非常用電源としての活用を見込む。児童には自然エネルギーの効果を学んでもらう。
点灯式では山本一弘校長と夏野市長が「産学 官で連携し実現することができた」などとあいさつ。瀧本教授は「世界の中でも珍しい形で、本当にすごいこと」と話し、協同アルミの木下茂取締役は水車の開 発の苦労を紹介した。児童を代表し、6年生の藤川武彦君と武波理央君、石田夢聖帆(ゆせほ)さんが「楽しみにしていた。笑顔いっぱいで学習できそう」とお礼の言葉を述べた。