2015/02/20
新エネルギーの導入を推進する県は2015年度、小水力、バイオマスの利 活用を進めるための新たな助成制度を創設する。一方で、急速に伸びた太陽光発電の設備導入支援事業は制度を変更して縮小。遅れがちな分野への支援策を強化 しつつ、目標とする「エネルギーの地産地消」を目指す。
小水力とバイオマスに対する助成制度は、導入の可能性調査に対して300万円を上限に補助。小水力は実際に設備導入をする事業者などに3千万円を上限に補助する。15年度当初予算案に8500万円を計上した。
県によると、小水力やバイオマスを利用した設備は、太陽光に比べて安定した発電が見込める。小水力発電は河津町や島田市などで導入事例があり、木質バイオマス発電所の計画も増えている。半面、水利権の扱いや燃料調達などに課題も多く、導入が進んでいない。
09年度と13年度の設備容量を比較すると、中小水力発電は0・95万キロワットから1・04万キロワットへ、バイオマス発電は2・16万キロワットから3・04万キロワットへといずれも微増にとどまった。
一方、太陽光発電は急速に普及。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を追い風に、9・94万キロワットから54・34万キロワットと5・5倍まで伸 びた。県は太陽光発電設備を設置する個人への助成を続けるが、15年度は対象から新築住宅を外し、既築住宅だけとする方針だ。
県内の新エネルギーの導入率は13年度末時点で7・8%。20年度末に10%以上にする目標を掲げる。県エネルギー政策課の担当者は「地域ごとに特色あるエネルギー資源の活用を幅広く進め、『小規模分散型』のエネルギー体系への転換を図りたい」と話す。