2014/03/12
北海道電力水力部はこのほど、水力発電所の稼働率を高めたり、保守、点検作業の効率化やコスト削減に結びつく技術成果を全道の事業所が持ち寄って報告する技術成果発表会を同社本店で開いた。計14件の成果が紹介され、優良な事例として全社に展開された。
発表会は今年で10回目。冒頭にあいさつした林宏行常務は「当社は今、残念ながら泊発電所の再稼働を具体的に見通せない。火力燃料費の増大で再値上げを検討せざるを得ない状況だ」と厳しい経営状態に触れる一方、「社会における電気エネルギーの利用は着実に進み、エネルギーの中心であり続ける。目の前の経営に一喜一憂することなく、腰を据えて技術力の向上に取り組んでほしい」と述べ、逆境でも、ぶれずに技術向上に取り組むよう参加者に求めた。
発表では発電機の一部が温度上昇によって劣化が早まる現象の解明と防止技術や、河川水を効率よく取り込み、発電の効率を引き上げる技術が紹介され、全道から集まった技術者に展開された。
発表内容を巡って行われた審査の結果、次の4件が表彰された。
【最優秀賞】▽「愛別発電所発電機固定子巻線の温度上昇検証結果について」(旭川水力センター発電課・岡部博文氏、熊谷政人氏)
【優秀賞】▽「国立公園内工事における希少猛禽類の対応について」(新得水力センター土木課・井上倫太朗氏)▽「尻別川水系各発電所の取水管理について」(倶知安水力センター土木課・佐藤志将氏、高石凌氏)
【努力賞】▽「七飯発電所灌漑放流弁動作時の振動対応について」(函館水力センター発電課・京納敦史氏、廣永聖治氏)
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