発電所が生まれた背景

河川には多くの砂防堰堤が設置されています。その砂防堰堤を利用した小水力発電の事例のひとつが、金山沢川水力発電所です。同発電所は、南アルプス市が建設した発電所です。山梨県の最西端にある南アルプス市は、北岳をはじめとする、間ノ岳、仙丈ヶ岳など3,000m級の高峰、名峰有する急峻な地域に位置していて、小水力のポテンシャルが高い地域です。

この発電システムでは、浸透水取水方式とえん堤穴あけ方式という取水方式を採用することで、既存の堰堤のみを使った取水方式を可能にしました。浸透取水方式とは、堰堤上流部の堆積物内に取水口を埋没させ、水を浸透させ取水する方式です。また、堰堤穴あけ方式とは、堰堤の下部に穴をあけ、そこから導水する方式です。特に浸透式方式により、砂沈室の設置を省くことができ、堤体への取り付けにより工事を最小限に抑え、施行における建設費等の削減をすることができるかどうかを検証した事例です。

同発電所は、有効落差42m、使用水量0.32m3/sにより、最大100kWです。発電された電力は、近隣の市の施設である南アルプス芦安山岳館、温泉ロッジ、白峰会館の3施設の電気を賄っています。余った電気は東京電力に売電しています。

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スペック

最大出力 100kW
最大使用水量 0.32m3/s 
有効落差
42.0m 
水車 クロスフロー水車
発電機 三相誘導発電機
発電開始日 平成22年04月1日
使用用途 自家消費、余剰売電

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