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2015/04/10

農業用水路で“小水力発電” 「開成町あじさい公園発電所」竣工式/開成町

開成町(府川裕一町長)は31日、のどかな田園地帯が広がる同町金井島のあじさい公園内を流れる農業用水を活用した小水力発電設備「開成町あじさい公園発電所」の竣工式を開いた。

発電形式は、県内初の「開放型らせん水車」で水をらせん状のブレード(スクリュー)で受けて水車を回転させる仕組み。水車は直径1000mm・羽根長 1900mm・全長4600mm。回転数は約50回転/分。有効落差は1.19m。使用水量は0.3㎥/秒。発電出力は最大2.2kw。発電電力量は約 11、000kwh/年(想定、一般家庭約3世帯分相当)。総事業費は約3522万円(税込)。
発電した電力は、「あじさい公園」の公園灯5基の電源として利用。昼間等の余剰電力は固定価格買取り制度により、東京電力に売電する。
同発電所は、小中学校での再生可能エネルギーを題材にした環境教育を学ぶ機会の提供と学習活動・生活体験を通じて環境問題への理解、自然・景観などを活用した“開成町らしさ”の情報発信や交流人口の拡大、地域の活性化などが期待されている。

同町では、町内に網の目のように張り巡らされ農業用水路を活用するため、平成23年度から小水力発電の導入を検討。昨年5月、町と企業庁との間で「小水力発電設備の設置等に関する協定」、今年3月、「小水力発電設備売買契約書」を結んだ。
式には、杉本透県議、企業庁の伊東裕治企業局財務部長、小林哲雄開成町議会議長をはじめ酒匂川右岸土地改良区、町議、自治会長、農業委員会、東京電力、町関係者など約50人が参加、開成町あじさい公園発電所の稼働を祝福した。
府川町長は、再生可能エネルギー取り組みのきっかけとなった3.11の原発放射能事故による足柄茶の被害などを挙げ、「小水力発電の先 進地・都留市や松本市への視察と調査・検討を重ね、4年かけて設置することができた。今年、町制60周年を迎えて、新たな開成町の価値を高める〈環境に優 しいエネルギー〉を使って電気自動車が走れる組み合せがセット出来た。安全で住みやすく環境に優しいまち・開成を売り出していく」などと挨拶した。
式典に続いて、府川町長、杉本県議、伊東部長、小林議長らが説明版の除幕を行った後、発電機に通水された。
平成25年3月、神奈川県が〈かながわスマートエネルギー構想〉に基づき、南足柄市と開成町の境を流れる文命用水に県内初となる小水力発電設備「垂直2軸クロスフロー水車」を設置、実証試験を行っている。

http://ashigaranet.com/html/5/201504/2015040102.html

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