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2016/05/09

【eco最前線を聞く】国内外で再生可能エネ普及目指す 自然電力・磯野謙社長【SankeiBiz】

2016年5月9日掲載
 太陽光や風力、小水力などの自然エネルギー発電所の発電事業・事業開発・資金調達などを手がけるベンチャー企業、自然電力(福岡市)は、建設コンサルタント会社の長大やフィリピンの現地企業など6社共同で、同国ミンダナオ島で自然エネルギーの普及に向けた取り組みに乗り出す。初めての海外案件となる自然電力の磯野謙社長は「国内だけでなく、海外でも再生可能エネルギーの普及と持続可能な社会の構築に貢献したい」と意欲を示す。

 --6社による共同事業の内容は

 「6社が締結した覚書にはミンダナオ島北アグサン州ブトゥアン市で、3つの河川の小水力発電事業や、もみ殻を用いたバイオマス発電事業の推進、太陽光、風力発電など自然エネルギーの開発を実施することが盛り込まれている。ミンダナオ島は、和平問題や貧困問題が残る地域だが、豊かな自然に恵まれ、自然エネルギーによる電源開発に適した地域も多く、将来の経済発展のポテンシャルが大きい」

 --自然電力の役割は

 「自然電力は2011年の会社設立以来、14件の自社保有による太陽光発電所を国内で運営しているほか、自然電力グループとして約700メガワット(15年12月時点)の太陽光発電所の企画・開発・EPC(設計・調達・建設)・O&M(運営・保守)に携わってきた。風力や小水力発電事業なども手がけている。国内で培った実績と経験を生かし、地域に適した自然エネルギー発電所の設置を進めることで、経済発展を図るうえで重要なエネルギーの安定確保に寄与したい」

 --自然電力の強みは

 「グローバルに自然エネルギー事業を展開しているドイツのjuwi(ユーイ)と連携、世界トップレベルの技術力に基づき、高品質な自然エネルギー発電所を地域に根ざしたかたちで提供できることだ。これまで、自然電力がもつ日本のローカルな視点・ネットワークとユーイとの合弁会社を活用し日本各地に、その土地の条件に適した太陽光発電所を建設してきた。土地探しから建設、運営・保守管理まで提供している。14年から自社による発電事業にも乗り出し、自然エネルギー事業のワンストップサービスの実現を掲げている」

 --地方創生への貢献にも熱心だ

 「発電所を手がける事業者にとって地元の経済発展に寄与することは極めて重要だ。例えば、熊本県の合志農業活力プロジェクト太陽光発電所では、自治体と地域企業、自然電力グループが協働し、発電所の売電収益の一部を地域の農業振興に還元するプロジェクトを展開している。こうした地元の経済発展に貢献する自然エネルギーのビジネスモデルを、国内でも、グローバルでも実現できる会社にしたい」

 --九州で多くの太陽光発電を進めているが、震災の影響は

 「自然電力グループが熊本県内および九州地域において運営・保守を担当している太陽光発電所は、地震発生以降、すべて正常に稼働し、周辺に影響を及ぼすような損傷・漏電など異常の発生がないことを確認している。工事中の案件に関しても、被害や周辺への影響などは発生していない。現地にボランティアとして社員を派遣したり、被災地の観光へのダメージなどを考慮し、福岡の本社周辺で行うはずだった研修を被災地で企画するなど微力ながら、再建に向けて協力していきたい」(小島清利)

【プロフィル】磯野謙

 いその・けん 2003年慶大卒。リクルートで広告営業を担当後、風力発電事業会社に転職し、全国の風力発電所の開発・建設・メンテナンス事業に従事。11年自然電力を設立し社長。35歳。長野県出身。

http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/160509/cpd1605090500002-n1.htm

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