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2015/08/07

【キラリ甲信越】北杜「水の山」プロジェクト 水の聖地目指し魅力発信 山梨【産経新聞】

 八ケ岳連峰や南アルプスなど日本を代表する美しい山岳景観と清らかな名水に恵まれた北杜市が「世界に誇る『水の山』プロジェクト」を今年度、始動 した。豊かな自然環境から育まれる水資源を生かして「北杜」のブランド化を図り、魅力を発信するのが狙い。名水をテーマにした国際会議の創設も構想に見据 え、「世界一の水の聖地」を目指す。(頼永博朗)

市内には、環境省選定の「名水百選」と「平成の名水百選」の選定エリアが全国で珍しく計3カ所(八ケ岳南麓高原湧水群、尾白(おじら)川、瑞牆(みずがき)山・金峰(きんぷ)山源流)ある。また、市内では全国のミネラルウオーターの2~3割を生産している。

昨年には、南アルプス一帯が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の生物圏保存地域「エコパーク」に登録された。市は登録を好機ととらえ、「世界に誇る『水の 山』宣言」を今年5月に発表。宣言では「北杜市の自然を人類の貴重な財産として守り育て、価値と魅力を伝え続ける」としている。

◆パートナー企業

市は宣言と併せ、市内で水の保全活動に取り組むなど要件を満たす地元企業3社とパートナーシップ協定を締結した。3社は、市内にミネラルウオーター工場を 置くサントリー食品インターナショナル(東京)▽日本酒「七賢(しちけん)」の銘柄で知られる酒造会社「山梨銘醸」(同市)▽夏季限定の「水(みず)信玄 餅」がヒット商品となった和菓子製造販売会社「金精軒(きんせいけん)製菓」(同)。

市と各社は新商品の開発にも着手。第1弾となる「サントリー南アルプスの天然水」と市内産のブルーベリーや牛乳などを使ったかき氷が、市内の観光施設や東京・表参道のコミュニティースペースなどで今月31日まで販売されている。

パートナー企業は今後も増やす方針で、ほかに市内の店舗や宿泊施設などを対象にメンバー制度も設け、PRに一役買ってもらう。

◆地方創生

プロジェクトには地方創生の予算約1500万円が使われている。森林生態系を代表するクマが水のしずくを抱く姿をデザイン化したキャラクター「ミズクマ」を開発。ポスターやホームページ、市職員の名刺などに活用し、ブランドの周知を図る。

今後は、自然を生かした各種の観光プログラムの開発をはじめ、小水力発電による地産エネルギーの普及や首都圏からの移住促進など幅広い分野にブランドを活用していく。

プロジェクトを所管する市観光・商工課では「水は地元産業や住民生活の根幹。将来的には、フランスのエビアン市やボルビック村など世界を代表する名水地の人々が一堂に会する国際会議の創設も目指していきたい」としている。

◆北杜市 山梨県の北西部に位置。伏流水や山岳景観、高原性の気候、日本で一番長い日照時間など豊かな資源に恵まれている。市の「昆虫」は国蝶のオオムラ サキ、「花」はヒマワリ、「小動物」はヤマネ。北杜市役所(同市須玉町大豆生田961の1 (電)0551・42・1111)。

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