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2014/03/04

唐津市、水力発電を市営で参入 県内初【佐賀新聞】

 唐津市は、市が管理する農業用ダム「藤ノ平ダム」(東松浦郡玄海町、総貯水量351万トン)に小水力発電施設を設置する。自治体が事業主体となって水力発電に乗り出すのは県内で初めて。売電収入は、上場台地の土地改良事業運営費の一部に充てる考え。

上場台地には藤ノ平ダムなど五つの農業用ダムがあり、松浦川の水を揚げて貯めている。藤ノ平ダムは有浦川からも流入、河川機能を維持するために一定量の水を下流に流しており、市は発電に必要な水を確保できると判断した。新年度に設計し、2015年度に発電施設を設置、16年度には本格稼働させる。

総事業費1億4600万円のうち、55%は国の補助で、市の負担は6570万円。発電総量は年間約110世帯相当の381メガワットで、現在の固定買い取り価格(1キロワット=35・7円、20年間)なら年1424万円の収入が見込め、毎年の維持費約100万円を差し引いても、5年で建設費が回収できると試算する。

市は20年間で約2億円の収入を得ることになるが、揚水の電気代が近年の値上げで、年1億4千万円前後から、本年度は1億6千万円まで上昇しており、売電収入で電気代の一部を賄う。

唐津市は「再生可能エネルギー導入は市の責務」とした条例を一昨年7月に施行しており、市農林水産商工部の井手康喜副部長は「藤ノ平ダムが軌道に乗れば、ほかに活用できるダムや河川がないか探したい」と話している。

小水力発電事業は県営中木庭ダム(鹿島市、680万トン)でも進められ、県の公募で西技工業、九州電力、九電工の3社が発電事業者に選ばれている。県の契約では売電に比例した収入はないが、県営ダム建設費のうち約1億2千万円を3社が負担する。

http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2641978.article.html

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