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2014/02/22

(もんじゅ君のエネルギーさんぽ)下水でも発電できるよ【朝日新聞】

■さまざまな水力発電

 こんにちは。もんじゅ君です。今週は、ちょっとユニークな小水力発電のおはなし。

 小水力発電っていうのは、これまでも何度かご紹介してきたけれど、名前のとおり小さな水力発電のことなんだ。国際的な定義では、出力が1万キロワット以下のものを小水力発電ってよぶんだよ。

 大型の水力発電ではダムをつくって、そこにためた水の落ちる力でタービンをまわして電気をつくるでしょ。有名なところでは、観光地としても人気の富山・黒部ダムがそうだよね。小水力もしくみとしてはおんなじなの。ただ、サイズが違うんだよね。

■小さくてもたくさん集まれば

 高さ日本一の黒部ダムは、最大出力が33万5千キロワットとおおきな水力発電なんだ。それに対して小水力発電というのは数百から数千キロワットで、くらべるとずいぶんと小さいでしょ。

 だけど発電施設の数では小水力のほうが断然たくさんあるんだよ。2009年の数字では、黒部ダムのような出力10万キロワット以上の大水力発電は日本全国で26基だけれど、小水力発電は1300基以上あるんだ。ひとつひとつのパワーはちいさいけれど、たくさん積み上げれば大きな電力になるよね。

■古くて新しい発電方法

 小水力発電には明治時代からずっと利用されているものもあって、古くから農村の暮らしに身近な存在だったんだよ。

 最近になって、用水路や川などのすでにある落差を活用できたり、むずかしいメンテナンスが必要なかったり、というよさが見直されてきて、全国でまたすこしずつ小水力発電が増えてきているんだ。

 富山県内でもこの5年間のうちに仁右ヱ門(にえもん)用水発電所や庄(しょう)発電所といった農業用水を活用したものがつぎつぎとできていて、いまは20以上の小水力発電が動いているんだよ。

 さらに今後も増えて、2016年度末までに30カ所以上を超えるいきおいなんだって。小水力って、古くて新しい発電方法なんだね。

■日本中にポテンシャルがある

 いまおはなししてきたように、富山県では小水力から黒部ダムまで、水力発電がたくさん使われているんだ。高い山があって雪がたくさん降るから、勢いよく流れる雪どけ水が豊富で、地理的な条件に合っているんだね。

 富山はとりわけそうだけれども、日本列島全体が雨が多く、勾配が急で小水力発電に向いているんだよ。環境省の調査でも、小水力のポテンシャルのある場所というのは全国に2万カ所以上もあるんだ。

■下水処理場でもタービンを回せる

 水力の活用をすすめる富山県のなかでも、ちょっと変わった発電施設が最近になってできたんだ。

 それは、二上(ふたがみ)浄化センターという下水処理場に追加されたちいさな発電施設。これまではきれいにした水を川にそのまま流していたんだけれど、そこにタービンをかませることで発電ができるようになったんだよ。

 発電量は一般家庭20軒分ほどとちいさいけれど、下水処理場ならではのメリットもあるんだ。河川とちがって水利権を取得する手続きもいらないし、きれいに浄化処理をしたあとの水を使っているから、タービンにゴミがひっかかることもないんだ。

 こんな意外なところでも発電できちゃうように、こまわりがきくのが小水力の魅力だといえそう。まだまだほかにも活躍の場が広がっていくといいね。

http://www.asahi.com/articles/ASG2D6GMYG2DUCVL02Y.html

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